3階建ての家の工事が進んでいますが、同時に各所の詳細な納まりの検討も進んでいます。
建築家による意匠図をもとに、私たちの方で施工図を起こすという作業です。



浴室詳細図-1



建築家が描いたデザインを、実際にどのように作っていくか考えるのですが、大事なのは、いかに納まりよく丈夫にできるかという点です。
納まりがよいことは、綺麗に精度よく仕上げられるということにつながります。
また、丈夫に作ることは、長く住まわれるお客さまにとって、とても重要だと考えています。



浴室詳細図-2



着工前から建物が完成するまでの半年間、工事を進めながら数十枚の施工図を1軒の家のために書いていきます。

築35年の木造住宅のメンテナンスを行いました。
項目は、・屋根・外壁の塗装
    ・傷んだ外壁の補修
    ・門扉の交換
    ・玄関庇の交換
    ・水栓金具の交換
    ・スイッチ、コンセントの交換  などです。


門扉


外壁の塗装工事は、足場を架けて既存の塗料を落とすことから始まります。塗り上がり直後は同じようでも、丁寧に下地作りをした塗装面は美しく、また 長持ちします。

今回は門扉も製作させて頂きました。
既存の門柱とポストにサイズを合わせた、スチール製の両開き戸です。デザインは、隣にある木製の鎧戸をモチーフとしました。
強風の時でもバタつかない、落ち葉の吹き溜まりにならない、などのご要望にも応えた形になっています。



アクリル庇


玄関庇は、アクリル板が張ってありましたが、歳月が経ち、当初透明だったものがこの写真のように半透明になっていました。
今回は、アクリルよりも耐久性が高く、紫外線にも強いポリカーボネート板に交換しました。
アクリルよりもポリカーボネートの方が少し高価ですが、やはり美しさが長持ちするという点から、ポリカーボネートを採用しています。

木造建築であったとしても定期的に必要なメンテナンスを行うことで、長く気持ちよく住み続けることができると思います。

3階建ての家の工事が進んでいます。
 
下の写真は、組み上がった小屋組です。
木と鉄骨の混構造となっているため、1本の鉄骨の棟木に、たくさんの梁・柱・登り梁が連結しています。



鉄骨と木
 


さらに工事は進み、屋根が架けられ、床が張られました。屋根にはトップライトが設置されています。
徐々に外部と仕切られ、屋内の空間がイメージできるようになってきました。

 
木工事風景
 


下の写真は、屋根を鉄骨の母屋で補強し、トップライトを取り付けている部分です。
 
鉄骨母屋とトップライト
 


こちらは、2階にあるハイサイドライトです。敷地の最も奥の場所にも、光を導き入れます。
 
ハイサイドライト
 


色々な光が入る様子を体験できるようになると、さらにイメージがふくらみます。
建物が密集する商業系の地域という立地ですが、気持ちのよい空間ができそうです。

これからの住宅のあり方とは?
そして、21世紀的ライフスタイルとは?
 
目指すべき未来を、もっとも身近な暮らしの場である「家」をみつめ直すことから考えてみる。
そのような発想から、1軒の家の設計が始まりました。
 
光と風の通り抜ける家模型1
 
 ・自然と調和し、共存する空間であること。
 ・変化する家族の形に対応できる空間であること。
 ・エコであること。
 
大きく3つのテーマを掲げ、施主と建築家の共同設計という形で、その答えを模索していくことになりました。
 
光と風の通り抜ける家模型2
 
木漏れ日、風の音、月影・・・様々な自然との対話を生活に取り戻したい。

子供の成長、両親との同居、子供の独立・・・フレキシブルでサスティナブル(持続可能な)プログラムを。

省エネルギー、創エネルギー、自然の恵み・・・単に設備や性能を付加するだけではない、建築的なエネルギーの効率化とは?
 
「家」は特定のご家族の私的で固有な建築ですが、今回のプロジェクトでは、様々な視点で検討が進めています。

 
地球の限られた資源と環境を守るために、1軒の家ができることは何なのか。そして、その1つの建築が、ご家族にもたらすことのできる豊かさとは?
この家が、その答えの1つになることを願っています。
 
 
§ 松尾宙氏・松尾由希氏の手掛けた住宅 §
 → 3 階建ての家
 → A project
建築家・熊倉洋介氏による「中庭のある家」の設計が進んでいます。
 
勾配屋根ですが、道路から見るとキューブ状に見えるようデザインされています。町並みに対して、圧迫感を与えない配慮でもあります。

 
建築模型(外観)
  

建物のエッジラインを美しく見せるため、雨樋を通常より下に設置することが提案されました。
このような意匠性を考慮しながら、外壁の材料やその見せ方の検討を同時に進めています。

 
建築模型(室内)
 

明るく風通しのよいリビングから、中庭に植えた樹木の緑を楽しむ計画です。
リビングの大きな吹抜の上は屋根なりの勾配天井で、とても気持ちが良さそうです。 
 
「3階建ての家」の建方を行いました。
土台を設置した現場に、まずはクレーンを使って次々と部材を運び込みます。
 
建方
 
木の構造材は、コンピューターで制御された工場で事前に加工し、精度を出します。
今回は平面が平行四辺形のため、ほとんどの接合部が直角ではありません。このため、斜め加工のできる特殊な設備のあるプレカット工場で加工を行いました。
 
クレーンを駆使しながら、柱や梁を大工と鳶の職人達が手際よく組み上げていきます。
 
鉄骨梁
 
屋根まで上がると、木造の構造に鉄骨がジョイントします。
難解な3次元の設計を経て、それぞれ別の工場で製作してきた部材を上空で接合させる作業では、緊張が続きました。
 
建方風景
 
非常にシビアな作業でしたが、接合部はぴたりと納まり、無事 上棟しました。

「3階建ての家」は木造ですが、屋根の架構が一部、鉄骨による混構造になっています。

 
3階建ての家・小屋組
 


青い部分が木軸、赤い部分が鉄骨になります。
鉄骨の円柱状の梁・棟木に接合部材をあらかじめ溶接しておき、木部の建方と合わせ一気に上棟させる計画です。
 
実はこの家の平面は、90°ではなく88.74°という、わずかに振れた平行四辺形になっています。
また、屋根の一部が3次曲面となっています。
この変形により、通常2次元で行う施工図の作業は、3次元での作業となりました。
木材のプレカット・鉄骨の製作も、特殊な加工に対応できる、設備の整った工場で行います。
 


ジョイント部材
 


上の写真は、鉄骨と木軸とを接合するために製作した部品です。
これを、3次元の角度で円柱状の鉄骨に溶接していきます。
接合部では部材が集中するため、少しの誤差でも建方がうまくいかない可能性があります。
設計図とおり、慎重に溶接が行われました。



鉄骨梁製作風景
  


検討と設計、加工には多くの時間と労力を必要としましたが、準備は整いました。
いよいよ建方、そして上棟です。

「中庭のある家」の地盤調査と真北測定の様子です。
 
事前に近隣の地盤データをチェックし、建物の計画内容を考慮した上で、スウェーデン式サウンディング試験と呼ばれる地盤調査を行うことにしました。
 
スウェーデン式サウンディング試験
 
スウェーデン式サウンディング試験は、北欧のスウェーデン国有鉄道が不良路盤の実態調査として採用し、広く普及した調査です。
日本では、1954年頃に建設省が堤防の地盤調査として導入したのが始まりと言われており、特に浅い部分で精度の高いデータを取ることができます。
 
荷重と回転をかけながら、スクリューを沈みこませるのに必要な重さと回転数を測定し、その数値をもとに地盤の強度を判定します。

今回は、建物の4隅と中心の、計5ポイントを調査しました。
 
真北測定
 
また、地盤調査とあわせて、真北測定を行いました。
 
「中庭のある家」の計画地は、東京都の第1種高度地区に指定されているため、2つの境界線上から5m+1:0.6という厳しい北側斜線がかかります。
建築可能な建物の高さを厳密に知るためには、正確な「北」を測定する必要があります。
 
建築基準法で用いられている北は方位磁針の北(磁北)ではなく、地図上の北(真北)です。そのため、トランシットと呼ばれる機器を使って太陽の方位と高度 を測定し、真北方向を算出しました。

「3階建ての家」の基礎コンクリートの型枠が取れました。
ジャンカなどもなく、きれいに打ち上がりました。

基礎コンクリート

よく、基礎だけの状態をご覧になって、思っていたより小さいと感じられる方が多いようなのですが、今回は通常の住宅よりも基礎の立ち上がりが大きい ため、迫力があります。
 
型枠が外れると、天端のレベル(水平)を確認し、ホールダウンやアンカーボルトなどの金物を改めてチェックしていきます。

基礎コンクリート2

設備の先行配管を行い、土を埋め戻したら、いよいよ土台敷き・建方を経て上棟です。

「3階建ての家」では、先日1回目のコンクリート打ちを行い、基礎の底盤まで完了しています。
1回目の打設直後は、このような状態でした。
 
基礎底盤
 
次は2回目、立ち上がり部のコンクリート打ちです。
立ち上がり部分の型枠を組み、コンクリートを流し込んだ際に型枠が動かないよう、支保工と呼ばれる仮設を組んでこれを支えます。
「3階建ての家」は基礎が深く、立ち上がり部が大きいため、支保工も少し重装備です。
 
基礎型枠支保工
 
打設当日は、1回目の打設と同様に、まずは運ばれてきたコンクリートの試験から始めます。
 
コンクリート試験
 
ひとたび打設が始まると、ほぼノンストップの作業になります。
型枠の隅々までコンクリートが行き渡るよう、バイブレーターをかけたり、木槌で叩いたりと、細心の注意を払いながら回っていきます。
 
コンクリート打設
 
最後に天端を均して、コンクリート打ちが完了しました。
コンクリートが固まるのを待ち、脱型すると、いよいよコンクリートの基礎が現れてきます。