昨日、母から東日本大震災の時の父の話を聞いた。

父は普段からとても見た目を気にしていた。
自分なりのおしゃれの基準があった。
ただ、その基準ははたからみるとおかしなものだったけど。

その中で髪の毛は特に気にしていた。
髪を短くして赤く染めていた。
もっとも、短い髪の毛だと地肌との兼ね合いで赤ではなく明るい茶色のようで派手さはなかった。
とはいっても、80才を過ぎた人の髪の色とは思えないものだった。

しかも週に一度、散髪と毛染めをしていた。
80才を過ぎた人でここまで髪の手入れをする人はなかなかいないだろうな。

これは、本人と母が理容師ということが影響しているだろう。
その結果、父の散髪と毛染めは母の仕事だった。

さて、東日本大震災が発生したその日、ちょうど母が父の毛染めをやっているときだった。
大きな揺れだったので
母が「お父さん!大きな揺れだよ。外に出ようよ!」と言ったところ
父が「まだ、毛染め終わってないじゃないか」と言ったらしい。
母が「え?やるの?」と聞いたが父は椅子から立ち上がらなかったらしい。
そして、毛染めが終わったあと「怖かったな」と言ったらしい。

きっと髪の色が中途半端な状態で外に出るのはみっともないということなんだと思う。
とはいっても地震より毛染めを優先するなんて(^^;

父らしいと大笑いしてしまった(^_^)

父がなくなって7年経つけどまど知らなかった話があるなんて。
しかも笑わせてくれるとは。
嬉しくなってしまった(^o^)