『人形の家 Part2』
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
『人形の家』で家を出たノラが15年たってなぜ家に帰ってきたのか。
又、今何をしているのか。
それこそがこの話のテーマ。
それは意外なものだったけど、
『人形の家』を観たことがあるからかもしれないが、『人形の家』らしいような気もした。
ノラが何度も「自由」という言葉を口にしていたけど、それは『人形の家』との対比なんだろう。
シンプルなセット、少ない登場人物。
そして、ノラと一対一の会話。
これによってそれぞれの登場人物の考えがよく伝わってきた。
そのなかで一番こ心引かれたのはノラと娘のエミーとの会話。
ノラにとって夫のトルヴァルや乳母のアンネ・マリーは一緒に暮らしていたのでどう接すればいいのかわかっていた。
どけど娘のエミーがどういう人なのか想像もできなかったし、捨てた負い目もあって緊張している様子がよく伝わってきた。
その上、ノラが想像もしなかった第三の選択肢を提案したりノラとは違う、結婚に対する考えを示したりと他の二人を前にしたときとは違うノラの困惑ぶりが現れていて面白かった。
エミーを演じた那須凜さんは堂々としていて他の三人に負けない役を演じていた。
しかしなんと言っても永作博美さんが素晴らしかった。
ほとんどでずっぱりということは知っていたけどそれを感じさせない演技だった。
疲れた様子もなかったしそれぞれの共演者に対しての応対の違いも自然なものだった。
永作さんがとても若々しく感じた。
『人形の家』を知らない人も楽しめるだろうけど知っていたら人物関係や背景を知ってもっと楽しめるのではないかと思えた。
登場人物が4人だけと少なかったけどそれを感じさせない充実した話だったと思う。
楽しかった(^^)