『ORANGE』

theatre PEOPLE PURPLE

 

シアターサンモール

 

 

以前、この芝居を観た人の感想を読んで観てみたいと思っていた。

観たかいがあった。
 
消防士といっても決してスーパーマンではない。
一般の人よりも体力や技術や知識や経験があるだけで何でもできるわけではない。
それぞれ家庭や生活がある。
悩んだり苦しんだり悲しんだり悔しんだりする。
そういったことを観客に見事に伝えていた。
 
災害が起これば真っ先に駆け付け、人を助ける。
でも、その数があまりに多く見捨てざるをえないことがある。
被災した家族の者たちは助けてくれるものだと思ったのに置き去りにされそして、その怒りをぶつける。
 
その怒りをただ受けるしかない悔しさや無力感。
そういったものが舞台から伝わってきた。
 
災害に立ち向かう、ということはそれだけ死を身近に感じている、という事。
一般の人が経験するよりもはるかに多い死を経験している。
だからこそ、命の大切さを知っているし、失われるときの辛さも知っている。
それでも立ち向かう、という事は色々な強さを持っているんだと思う。
逃げない強さもそのうちの一つだと思う。
その大切さを気づかせてくる作品でした。
 
それと、
臨場感にあふれていた。
消防隊員の行動や言動。
芝居、という事を忘れるくらい不自然さがなかった。
本当の消防隊員ってこうなんじゃないかと思えるくらいだった。
不自然さを感じることが無くのめりこんでしまった。
 
とても感動した。