現在、シアターコクーンで『ガラスの動物園』が上演されています。


しかし、ここで書く話はこの作品のことではありません。


2001年に上演された作品についてです。


色々と印象に残ることがあったので今回の上演に合わせて書こうと思いました。




私が観に行った『ガラスの動物園』は2001年9月1日~30日 ベニサン・ピットで上演されました。


出演は佐藤オリエさん、富田靖子さん、みのすけさん、松本きょうじさんでした。




さて、印象に残った一つ目です。


観劇が明日に迫った日の夜9:00頃、突然スタッフの方から電話がありました。


「出演者の一人が怪我をしてしまい代役を立てることになりました。しかし、明日の公演には間に合わないので明日の公演は中止となります。チケットは払い戻し、もしくは別の日への振り替えとさせていただきます。」というものでした。


明日中止、には驚きましたが別の日で都合のいい日があったので変更してもらいまいた。


”突然の中止”を経験したのがこの時初めてだったのでとても印象に残っています。


(”突然の中止”はその後、他の芝居でも経験しました)




さて、会場のベニサン・ピットですが、初めて行く劇場でした。


地図で調べたら地下鉄の森下駅が最寄駅でした。


迷わず着きましたが劇場を見て驚きました。


外観が工場か倉庫のようでした。


あとでわかったことですが元工場でした。


しかし、その時はそのことを知らず「この芝居のためだけに借りたのかな?」と思いました。


中は天井が高く鉄骨むき出しで武骨で芝居には不向きな感じがしました。


しかし、セットはその鉄骨や武骨さを活かしたつくりになっていました。


セットの中に階段を設けて立体感を出し、ちょっと複雑な作りで閉塞感や圧迫感を作り出していました。


作品の内容とみごとに調和していたと思います。



このベニサン・ピットですが、今はもうありません。


2009年閉鎖しました。


こうなってみると、もう一度見たかったな、という気持ちがわいてきます。



さて、この作品の内容ですが、決して明るいものではありません。


むしろ暗いものでしょう。


現状を見ていない者、現状を変えたい者、現状を諦めている者、


そういった人達に光が差す、


(いえ、正確には光が差したような気がすると言ったほうがいいでしょう)


しかし・・・



タイトル通りにもろさを感じるものでした。




しかし、暗いけれども見ごたえのある芝居でした。


特に富田靖子さんの演技は抜群でした。


足を引きずる役でしたがまるで本当のようでした。


又、出演者の中で感情が一番変化する役でしたが、その変化もわずかな表情の変化で見事に表現していました。


富田靖子さんはこの作品を見る前も好きでしたが、この作品でより一層好きになりました。




ずいぶん長い文章になってしまいましたが(^^)、それだけこの作品は印象深いものでした。


ただ、あまりにも印象深かったので今回の『ガラスの動物園』を観に行こうとは思えませんでした。


ちょっと残念です(^_^;)




というわけで、


私にとって『ガラスの動物園』といえば2001年上演の作品です。


(今のところは、ですが(^^))