満ちたり 欠けたり


『黒い十人の女 ~version100℃~』  ナイロン100℃   青山円形劇場



TVプロデューサーの風松吉は妻がいながら九人の女と浮気していた。

彼女たちは彼が浮気しているのは知っていたが彼から離れられないでいた。



1961年に公開された映画の舞台化ですが、話に古臭さも違和感も感じませんでした。


男と女の問題はいつの時代も変わらないのかもしれません。


そういう事を感じさせる作品でした。




複雑な内容では無いので、映画を観ていないとわからない、という事はありません。


十分楽しめました。




十人の女が一人一人はっきりしていてはっきりとした印象を受けました。


見ごたえがありました。


その中でも特に風市子を演じた峯村リエさんは秀逸でした。


貫禄があり堂々としていて峯村さんが出ているシーンはとても引き締まっていました。



又、緒川たまきさんの可愛らしいシーンには驚きましたが、意外な姿を見る事が出来て嬉しくなりました(^^)




風松吉役のみのすけさんはとても似合っていました。


優しいけれども正面から立ち向かわない、自分に都合が悪そうになればかわそうとする、つかみどころの無いような役をまるで素の様に的確に演じていました。



オープニングで十人の女が舞台に登場しながら舞台のへりでポーズを取ったりしましたが、最前列に座った私の前で何人かがポーズを取ったのでドキドキしました(^_^;)


役得でした(^^)



セットの椅子やテーブルなどを舞台上に出すときに役者が運んでいましたが、その時思いがけない動きをしていました。


パントマイムグループの『水と油』の動きに似ているな、と思いました。


そして、配られた冊子を見たら 振付:小野寺修二 となっていました。


『水と油』の小野寺修二さんでした。


まさか、ナイロンで小野寺修二さんの動きを見られるとは思いませんでした。


思いがけない楽しみでした(^^)




この作品が発表になったとき、映画とどういうふうに変えてくるのかな、という興味があったけど、そういう事が気にならないくらい面白い作品でした。


休憩を挟んで3時間の作品でしたが楽しめました。