満ちたり 欠けたり


『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』 シアタートラム


最初、舞台を観た時「ずいぶんシンプルな作りだな」と思いました。

しかし、いざ始まってみるとセットが浮かび上がってきて場の雰囲気をがらりと変え、舞台に引き込まれました。

又、二幕目へのセットの変更もシンプルでスムーズだけど意外性がこれから始まる芝居を大いに期待させるものでした。


この作品は、堤真一さんと小泉今日子さんの二人による『ホームライフ』、堤真一さんと大森南朋さんの二人による『動物園物語』の二幕からできています。


『ホームライフ』では妻役の小泉今日子さんが夫役の堤真一さんに話を聞いてもらうところから始まります。

ところが話が意外な展開を示します。

その意外さはこちらの想像を超えるものでした。

まさかこの二人からこのような内容の会話が聞かれるとは思いもしませんでした。

会話の内容はちょっとショッキングでしたがいたずらにその部分を強調する事なく伝えたい事は別にある事がわかりました。

ちょっと間違えたら雰囲気の違う芝居になったと思いますが、シリアスな大人の芝居だったと思います。


『動物園物語』は『ホームライフ』のあと、近くの公園へ行った堤真一さんと大森南朋さんの物語でした。

『ホームライフ』では堤真一さんと小泉今日子さんが会話をしていましたが、こちらは大部分を大森さんのセリフが占めていました。

大森さんは大変だったと思います(^^)

大森さんの沢山のセリフにより舞台は『ホームライフ』とは違う雰囲気に包まれていきました。

緊張感があり、そして少し妖しげな雰囲気のある芝居でした。



二幕の芝居ですが登場人物が三人だけというシンプルな芝居でした。

その分、役者の演技力が大切になると思います。

そのような状況ですが三人とも素晴らしく見ごたえがありました。


とても楽しい時間を過ごせました(^^)