【激闘編①】のつづき。
ハーフ地点を通過。
懸念材料だったふくらはぎではなく、身体の異常が出始めた。
焦ることなく、秘密兵器その2を口に含み、回復を待つことに。
「効くまで早ければ30分くらい。とにかく粘れ。」
少し弱気になった自分を鼓舞する。
強かった横風が少し追い風になった。
しかし強すぎて、かえって走りづらい(o_o)
下り坂。
うまく力を伝えられない( •̀ㅁ•́;)
そして衝撃吸収出来なくて、ガンガン突き上げられる感じ
もがいていると、少し先で先行するランナーが右に鋭角に曲がるのが見えた。
今の風は右後方から。
向かうのか…むかっちゃうのか…
自分も曲がった。
(o_o)
強烈な向かい風、そしてまさにそのタイミングで強く降り出した雨。
雨が風に乗ってフルスロットルで身体に打ち付けてくるので、めっちゃ痛い
前も見えない。
飛ばされそうな程で、直進するのが精一杯。(この日の最大瞬間風速がまさにこの時間くらいで20.7mでした)
周りのランナーも一気にペースダウン
ワタクシはスカイパークで風速10mクラスならしばしば経験してるので、風仕様にトランスフォーム( ´∀`)
…
進まない(笑)
いや、笑い事じゃないくらいに。
不調も相まって大失速…
歩き始めるランナーさんも出てきた。
走り続ける人も斜め前からに変わった風に、身体を傾けながら走ってる。
「修行僧のようだ…」
練習ならワタクシは絶対に走るのやめるコンディション(笑)
タイムは無理かも…とは思ったが、走ることを諦めることだけはしなかった。
雨があまりに強くてサングラスの意味、まるでなし。
ワイパー欲しいくらい。
手羽先ワイパーでもいい←わからないだろうなぁ(笑)
ペースは更に落ちていて、キロ5に乗りそうなほどだった。
25km通過。
計算した。
仮にここからゴールまで5分/kmで走れたとしても、PBは無理。
むしろこのままズルズル行きそうなところだった。
それは絶対に嫌だ。
意識が「ただ走る」ことになっていたことに気がついた。
呼吸はペースが落ちたこともあり、整っていた。
脚には力があまり入らなかったが、動いてはいる。
「余力あるなら出せ走れるなら倒れるまで走れ。」
ピッチを上げた(つもり)。
もう少しで身体もきっと動くようになる。
頑張れ。
言い聞かす。
周りを見た。
いや、ふと周りを見る余裕が生まれた。
こんな雨風の中、沿道には応援してくださる住民の方がいる。
寒いのに立ち続けるボランティアさんがいる。
エイドのパンが濡れないように、自らは濡れながらもビニールで必死に守ってくれる大会スタッフがいる。
周りにも走り続けるランナーがたくさんいる。
こんな素晴らしい環境で走らせてもらってて、出し惜しみしてんじゃねぇ
遅ればせながら火がついた
身体はもう思い通りには動かない。
でも走れる限り、やる。
それしか出来ない。
でも出来るならやるしかない。
お前は何しに来たんだ。
そんなことが頭の中をぐるぐるとめぐる。
30kmくらい。
エイドに梅干しがあった。
空腹を覚えてたので、パンも一個もらった。
あんぱんの甘さが、身体に優しかった。
吸収されれば残り5kmは動くはず。
丹後ウルトラの時に、脱水から復活してラスト生き返るという経験があった。
無理せず我慢して、必要な補給さえしていればまた動く。
信じていた。
(あとは35kmでおしるこだな…)と思ったのはここだけのヒミツ(笑)
とにかく走る。
不格好でも。
遅くても。
抜かれても。
ずっと雨風に打たれ続けたランナーたち。
心が折れて、歩いたりペースダウンしたりする人も増えてきた。
自分は負けない!
もう届かない目標でしたが、走ることしか頭になかった。
幸い、脱水の状況からは回復してきた感じで、身体の感覚が戻ってきた
そのおかげで、一度抜かれたランナーを追い上げることが出来始めた。
そしておしるこエイド
…
冷たかった(´・ω・`)
温かい、せめてぬるいを期待していたので、ちょっとショックだった(笑)
甘さが口に残ったので、少し先のエイドでは水を手にしてリフレッシュ
中盤より確実に身体が動くようになった。
風向きも横になりそこまで厳しくはなくなっていた。
38kmくらい。
少し前を行く女性ランナーを、大声で応援する方がいた。
それに微かに応える女性ランナー。
そんな姿を目にした。
そこでは丁度ロッキーのテーマソングが流れていた。
耳にした瞬間、涙が出てきた。
ここまで来て、なぜ結果を残せないんだ。
悔しくて、情けなくて、それでも走れている自分が本当に「頑張った」のかわからなくなった。
でも自分にも応援してくれる人がいる。
待ってくれる人もいる。
せめて、ここからでも出し切れ。
39km過ぎると、左折して向かい風100%になった。
かかってこい
火がついたワタクシはもう止まりません。
ごぼう抜き💨
しかしカメラに表情作る余裕はなかった(笑)
ラスト1km。
雨だったら濡れないように、と話していたのに濡れながら応援してくれていた
手だけ上げて反応して、加速。
もう何も考えられなかった。
とにかく一生懸命に走る。
だって…
(写真はいただきました)
だって、言ってみれば「他人」のためにこんな雨の中こういう風に応援してくださる方もいるんだ。
この雨でも大会を支えてくださってる方もいるんだ。
力を出すことが、支えに、そして応援に感謝の気持ちを表す方法だと思った。
ゴールまで100mだよ。
沿道からその声が聞こえた。ダッシュしたつもりだった。
一秒でも速く。
ゴールラインを無事に越えた。
終わった…
長かった。苦しかった。悔しかった。
ゴールした安心感。
応援してくれてる方への感謝。
そんなものも溢れてくる。
気が緩んだのか途端に寒さ、足の筋肉の痛み。
色んな感情や感覚が交錯していた。
初めてのことだった。
オー○スポーツさんがカメラ向けてくれましたが、涙をこらえるのに必死でそれどころじゃなかった。
なんの涙だろう。
今となってはわからない。
結果は満足行くものでは全くなかった。
でも、具合悪くなったところで、それなりに対応出来たのではないか。
あの天候でも完走した。
最後に粘れた。
ここは経験値として、次のチャレンジの時には活きるだろう。
いや、活かさねばならぬ。
「マラソンは人生」などと言うことを聞くことがある。
準備してもうまく行かないこともあるし、しんどいこともある。
でも、それを乗り越えなければ前には進めないし、乗り越えた時にきっと何かが開けるような気がする。
ゴールして、参加賞やら記録証やらを受け取りTUT-TUNさんが取ってくださった陣地へ。
着替えようにも、手が、全身が震えてウェアを脱ぐことも出来なかった。
座ることもままならず、しばらく動けなかった。
全部出し切れたんだ。
ほんの少し、頑張れた気がした。
そして風に立ち向かいながら、まだ頑張ってる仲間に、ランナー達に目線を送った。
【記録編】につづく。
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ハーフ地点を通過。
懸念材料だったふくらはぎではなく、身体の異常が出始めた。
焦ることなく、秘密兵器その2を口に含み、回復を待つことに。
「効くまで早ければ30分くらい。とにかく粘れ。」
少し弱気になった自分を鼓舞する。
強かった横風が少し追い風になった。
しかし強すぎて、かえって走りづらい(o_o)
下り坂。
うまく力を伝えられない( •̀ㅁ•́;)
そして衝撃吸収出来なくて、ガンガン突き上げられる感じ
もがいていると、少し先で先行するランナーが右に鋭角に曲がるのが見えた。
今の風は右後方から。
向かうのか…むかっちゃうのか…
自分も曲がった。
(o_o)
強烈な向かい風、そしてまさにそのタイミングで強く降り出した雨。
雨が風に乗ってフルスロットルで身体に打ち付けてくるので、めっちゃ痛い
前も見えない。
飛ばされそうな程で、直進するのが精一杯。(この日の最大瞬間風速がまさにこの時間くらいで20.7mでした)
周りのランナーも一気にペースダウン
ワタクシはスカイパークで風速10mクラスならしばしば経験してるので、風仕様にトランスフォーム( ´∀`)
…
進まない(笑)
いや、笑い事じゃないくらいに。
不調も相まって大失速…
歩き始めるランナーさんも出てきた。
走り続ける人も斜め前からに変わった風に、身体を傾けながら走ってる。
「修行僧のようだ…」
練習ならワタクシは絶対に走るのやめるコンディション(笑)
タイムは無理かも…とは思ったが、走ることを諦めることだけはしなかった。
雨があまりに強くてサングラスの意味、まるでなし。
ワイパー欲しいくらい。
手羽先ワイパーでもいい←わからないだろうなぁ(笑)
ペースは更に落ちていて、キロ5に乗りそうなほどだった。
25km通過。
計算した。
仮にここからゴールまで5分/kmで走れたとしても、PBは無理。
むしろこのままズルズル行きそうなところだった。
それは絶対に嫌だ。
意識が「ただ走る」ことになっていたことに気がついた。
呼吸はペースが落ちたこともあり、整っていた。
脚には力があまり入らなかったが、動いてはいる。
「余力あるなら出せ走れるなら倒れるまで走れ。」
ピッチを上げた(つもり)。
もう少しで身体もきっと動くようになる。
頑張れ。
言い聞かす。
周りを見た。
いや、ふと周りを見る余裕が生まれた。
こんな雨風の中、沿道には応援してくださる住民の方がいる。
寒いのに立ち続けるボランティアさんがいる。
エイドのパンが濡れないように、自らは濡れながらもビニールで必死に守ってくれる大会スタッフがいる。
周りにも走り続けるランナーがたくさんいる。
こんな素晴らしい環境で走らせてもらってて、出し惜しみしてんじゃねぇ
遅ればせながら火がついた
身体はもう思い通りには動かない。
でも走れる限り、やる。
それしか出来ない。
でも出来るならやるしかない。
お前は何しに来たんだ。
そんなことが頭の中をぐるぐるとめぐる。
30kmくらい。
エイドに梅干しがあった。
空腹を覚えてたので、パンも一個もらった。
あんぱんの甘さが、身体に優しかった。
吸収されれば残り5kmは動くはず。
丹後ウルトラの時に、脱水から復活してラスト生き返るという経験があった。
無理せず我慢して、必要な補給さえしていればまた動く。
信じていた。
(あとは35kmでおしるこだな…)と思ったのはここだけのヒミツ(笑)
とにかく走る。
不格好でも。
遅くても。
抜かれても。
ずっと雨風に打たれ続けたランナーたち。
心が折れて、歩いたりペースダウンしたりする人も増えてきた。
自分は負けない!
もう届かない目標でしたが、走ることしか頭になかった。
幸い、脱水の状況からは回復してきた感じで、身体の感覚が戻ってきた
そのおかげで、一度抜かれたランナーを追い上げることが出来始めた。
そしておしるこエイド
…
冷たかった(´・ω・`)
温かい、せめてぬるいを期待していたので、ちょっとショックだった(笑)
甘さが口に残ったので、少し先のエイドでは水を手にしてリフレッシュ
中盤より確実に身体が動くようになった。
風向きも横になりそこまで厳しくはなくなっていた。
38kmくらい。
少し前を行く女性ランナーを、大声で応援する方がいた。
それに微かに応える女性ランナー。
そんな姿を目にした。
そこでは丁度ロッキーのテーマソングが流れていた。
耳にした瞬間、涙が出てきた。
ここまで来て、なぜ結果を残せないんだ。
悔しくて、情けなくて、それでも走れている自分が本当に「頑張った」のかわからなくなった。
でも自分にも応援してくれる人がいる。
待ってくれる人もいる。
せめて、ここからでも出し切れ。
39km過ぎると、左折して向かい風100%になった。
かかってこい
火がついたワタクシはもう止まりません。
ごぼう抜き💨
しかしカメラに表情作る余裕はなかった(笑)
ラスト1km。
雨だったら濡れないように、と話していたのに濡れながら応援してくれていた
手だけ上げて反応して、加速。
もう何も考えられなかった。
とにかく一生懸命に走る。
だって…
(写真はいただきました)
だって、言ってみれば「他人」のためにこんな雨の中こういう風に応援してくださる方もいるんだ。
この雨でも大会を支えてくださってる方もいるんだ。
力を出すことが、支えに、そして応援に感謝の気持ちを表す方法だと思った。
ゴールまで100mだよ。
沿道からその声が聞こえた。ダッシュしたつもりだった。
一秒でも速く。
ゴールラインを無事に越えた。
終わった…
長かった。苦しかった。悔しかった。
ゴールした安心感。
応援してくれてる方への感謝。
そんなものも溢れてくる。
気が緩んだのか途端に寒さ、足の筋肉の痛み。
色んな感情や感覚が交錯していた。
初めてのことだった。
オー○スポーツさんがカメラ向けてくれましたが、涙をこらえるのに必死でそれどころじゃなかった。
なんの涙だろう。
今となってはわからない。
結果は満足行くものでは全くなかった。
でも、具合悪くなったところで、それなりに対応出来たのではないか。
あの天候でも完走した。
最後に粘れた。
ここは経験値として、次のチャレンジの時には活きるだろう。
いや、活かさねばならぬ。
「マラソンは人生」などと言うことを聞くことがある。
準備してもうまく行かないこともあるし、しんどいこともある。
でも、それを乗り越えなければ前には進めないし、乗り越えた時にきっと何かが開けるような気がする。
ゴールして、参加賞やら記録証やらを受け取りTUT-TUNさんが取ってくださった陣地へ。
着替えようにも、手が、全身が震えてウェアを脱ぐことも出来なかった。
座ることもままならず、しばらく動けなかった。
全部出し切れたんだ。
ほんの少し、頑張れた気がした。
そして風に立ち向かいながら、まだ頑張ってる仲間に、ランナー達に目線を送った。
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