タイトル ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ
著者名 ロン・ポール
出版社 成甲書房
本書の概要
アメリカの中央銀行である連邦準備銀行(以下 連銀)は一部のエリートの私服を肥やすために存在し、秘密主義で無尽蔵に大量に通貨を刷ることでインフレを引き起こし、経済を混乱させているため、廃止するべきだと訴えています。
そもそも中央銀行は、通貨をコントロールし、物価の安定化をさせることが目的だと教えられましたが、それ自体嘘で、本当のお金とは金(ゴールド)であり、金を裏付けとした金本位制を廃止した現在のアメリカは裏付けのない紙切れドルを発行し、ドルの価値を下げていると指摘しています。現在の通貨制度、金融政策の問題点がよくわかる一冊です。
おススメ対象者
経済やお金の勉強をしている方にはお勧めです。また、ほとんどの日本人は読むべき一冊です。今まで教えられてきた経済やお金に対する考え方が変わります。
本書をいかに活用するか
新聞やニュースをそのまま信じるのではなく、本書を参考に背景や一般知識を持ち、エコノミスト、政治家のミスリードな政策に同調しない思考を持ちましょう。
要約
連銀は銀行カルテル
紙幣が大量に刷られた通貨量と信用が膨張する。その結果、物価が上昇する。お金を刷ることが仕事である連銀は、インフレを起こすことはあっても抑制することはない。
紙切れドルは金融制度の安定をもたらさない。
連銀の通貨政策に対する主張
・弾力的な通貨供給
・思慮のある通貨政策
→ 連銀の建前であり、本質は好きなだけお金を刷り、金利を操作して国債を引き受けている。
インフレ(通過膨張)は、軍国主義に不可欠で、戦費調達として利用される。
ロン・ポールの主張
資本 = 貯蓄から生まれるもの
貯蓄がなければ資本は存在しないし、企業は融資を受けられず投資ができない。
現在の通貨制度はタダ乗りして、国民に貯蓄させていない。
紙切れの通貨の力を借りており、何もないところからお金を生み出し、それを「資本」と呼んでいる。
連銀の政策
物価安定化のためにドルを刷る → 経済が弱体化して弱いドルになる
低金利政策は、何もないところから生み出された信用が投資家に間違った合図を送り、浪費、過度の投資、借入れを促してしまう。
金利の統制をやめて、市場に金利を決めさせる
金(ゴールド)こそが通過