今日からは本の中身の紹介です。全部で6章まであります。1回につき1章ずつ見ていきます。
第1章 クレーマー対応に疲弊していく現場担当者たち
クレーム担当者はたった1人で、現場で孤立していることが多い。だれにも協力してもらえない状況に置かれている。
上司や社長も「うまく対応しろ」というだけで、具体的な対応の仕方を指示できていない。
会社として何等の方策を持っていないと「相手は、一応、お客だ。お客は大事だ」という思いと会社の損害を最小限に抑えなければ、という思いで、担当者は手探りで対応せざるを得ない。
<クレーマーのやり口>
1 小さなことを大げさにいう
クレーマーは自分の期待値にそぐわない状況・製品に対してこちらにミスが無くても騒ぎ立ててくる。もしもこちらにミスがあれば、それが些細な物であっても、問題を拡大して攻めてくる。こちらに過大な加害者意識を持たせようとする。
2 担当者を会社から孤立させる
本来は「クレーマー vs 会社」という構造であるがそれを「自分のミスで会社に迷惑をかけるな」などいい「クレーマー vs 担当者」という形に持っていく。
真面目な人ほど周囲から孤立していく。周囲の人もサポートしてくれるわけではない。
3 担当者の周囲の者、関係者などを使って間接的に追い込む
クレーマーは思い通りにいかなくなると、担当者の勤める会社の取引先などに電話をかけて文句を言う。取引先では細かな事情など分からないし興味もないので、担当者に「うちにこんな電話がかかってきた。早急に終息させてくれ」等と電話をする。担当者の会社にとっては重要な顧客である。顧客とクレーマーの板挟みになって担当者は苦しむ。
以上3点の攻撃に加えて、当事者だけではなくて第三者がクレーマーの味方として加わってくることがある。
例えば高齢のお客が当事者としたとき、その息子とか娘が新たなクレーマーとして加わってくることがある。
ひどいときには、高齢の当事者は「もういいよ。それだけ誤ってくれたら許すよ」と言っていたとしても、息子や娘がそうは問屋が卸さないとばかりに過大な要求を突き付けてくることがある。
本当なら収まっているはずなのに、ずるずると話が長引いてしまい担当はますます疲弊していく。
会社の周囲の者は励ましてくれることはあってもサポートまではしてくれない。上司も社長も担当者に投げたきり「どうなっているのだ」とばかりにプレッシャーをかけてくる。上司・社長も間接的にクレーマーの加勢をしてしまっている。
これでは担当者たまらない。
(第2章に続きます)