第3章 もめない組織・制度の作り方 その3

本日は会社の法律『就業規則』について考えていきます。

 

労基法では、労働者が10人以上になると就業規則を作成して監督署に届け出なければならないことになっています。10人以上の会社はたくさんあるでしょうから、たいていの会社には就業規則があることになります。

立派な就業規則があっても実際の勤務とずれのある規則になっていては意味がありません。ずれや矛盾があると、労務問題発生の元となってしまいます。

実際の勤務状況をみて、改善すべきところを抽出し「こうすればもっと効率的に働ける」とか「こうすればもっと安全な段取りができる」というふうにその会社の業務の内容や社風に合った規則を作っていかなければなりません。

 

「このような会社にしていく」という社長や経営層の思いが反映された就業規則になっていなければ、それは単に形だけの法令に合わせたつまらないものになっていきます。

 

就業規則は社員教育のテキストでもあると思います。

「当社は、このような考えた方から、この決まりを作っている」と社員に会社の思いを期待する社員像を提示することができます。同時に会社のルールを植え付けていきます。

 

 

『社長、やめた社員から内容証明が届いています』の著者島田弁護士はいいます。

「就業規則は指摘する根拠になる」

例えば、メンタル的に少々心配な人が出てきたとします。機微な問題です。その人に対して会社として「病院へ行け」といってよいのかどうか、真面目な上司ほど悩む。その時、就業規則に「会社は、メンタルヘルス不調を防止するために、労働者に対して医師の診察を命じることができる」などと書いてあれば、根拠をもって部下に話ができます。

 

 

確かに「就業規則でそうなっているから」というと、大抵のものは「そうかじゃあしょうがないな」ということになって話が早いです。いう方もストレスがかかりません。

 

「管理職が自信をもって指導できるためにも、就業規則の内容は「そこまで書きますか」くらいでちょうどよい」と島田先生はいっています。