第3章 日常的な疲れの原因はいびきにあった(2)

 

疲労因子FFが生じると、それに伴って疲労回復因子FR が生じます。

FRの生成がままならないと、疲労は蓄積していくことになります。

 

日中、日を浴びることで紫外線により疲労因子FFが生じます。また、盛んに活動することによってもFFは生じます。同時に疲労回復因子FR も生じてはいるのですが、FFの生産に追いつかないので、夜になるとFFがたまってきて、疲れ(脳疲労)を感じます。

 

夜間、寝ているときは紫外線を浴びませんし、使う酸素もエネルギーも少なくて済みます。

大脳も自律神経も昼間のような活動から解放されています。そうすると疲労回復因子FRのほうが疲労因子FFを上回ることになりますので、疲労した状態から回復される、ということになります。睡眠というのは、常識ですが、疲労を回復するための有効な手段なのです。

 

昼間、忙しく立ち働いている人ほど、睡眠を十分にとる必要がありますが、忙しい人は睡眠時間を削る傾向にあります。暇な人ほどいっぱい眠る。本当は逆ですね。

眠りは時間だけでなくその質も大事です。

レム睡眠が浅いほうの睡眠で、深い睡眠がノンレム睡眠ですね。

REMというのはRapid Eye Movement(高速眼球運動)の略で、眼球が瞼の下で動いているそうです。Non-REMというのは、「REMではない」ということで、4つのステージに分けられています。

ステージⅠ~Ⅳのうち、主にⅢ~Ⅳの深い睡眠のときに脳を休めています。この時にデルタ波というのが増えてくるのが特徴です。このデルタ波が出ているときに体の新陳代謝を促す成長ホルモンが分泌されます。

レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しながら寝ているのですが、最初のノンレム睡眠が一番深く、だんだん浅くなっていって目が覚める、というわけです。

最初が一番深いというのは、眠りについたらまずは「脳の疲労を回復する」ということを優先しているからです。

 

ウイキペディアより

 

睡眠障害には「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」「SAS」がありますが、これらを改善する一つの方法が体内時計に基づく生体リズムを整えることです。

 

朝は朝日を浴びる、夜は強い光に当たらないようにする(間接照明がいいそうです)。床に入って本を読んだりスマホを見たりしない、などの話をお聞きになったことがあると思います。

また、入浴は寝る2,3時間くらい前にするとか、ぬるま湯の半身浴がいいとか、夕食は就寝の3時間前には済ませておくとか、あっさりしたものが良いとか、いろいろと情報が入ってきます。

少しは守れるけれども、全部を実行するのはなかなか難しいですね。

特に平日なんかは、どうしても仕事が中心になりますから、夜、風呂(面倒なときにはシャワーにしますが)に入る時間や食事の時間など結構なぶれが生じます。

あと寝酒も睡眠の質を悪くします。確かに眠りが浅くなる感じがしますし、中途覚醒することが多いです。

 

第3章は以上です。次回から第4章「科学で判明した脳疲労を改善する食事成分」を見ていきます。