天皇賞・春は血統がある程度ものをいうレースである。

昨年も、私が本命としたマイネルキッツは京都コースで穴をあけている父チーフベアハートに母の父サッカーボーイ、2着のアルナスラインは父はサンデー系でも足の遅いアドマイヤベガと母の父が欧州血統のエルグランセニョール、3着のドリームジャーニーと4着のサンライズマックスは父がディクタスを内包しているステイゴールドと菊花賞や天皇賞・春で来る血統馬ばかりであった。今年も同じような観点から攻略すればある程度は的中に近づけることができると考える。

◎ジャミール

 父はステイゴールドで母の父サドラーズウエルズしかも母系は凱旋門賞馬やカドラン賞勝ち馬があり、生粋のステイヤーと言って良い。それでも、自身のレースや過去の持ち時計を見るとスピードを持続できる要素も持っている。昨年もう少し賞金を稼ぎ安藤勝が騎乗していたら菊花賞でも勝負になっていたと思うほど。

安藤勝騎手が乗るようになってからは(3.3.1.0)と馬券圏内を外していない。しかも活きの良い4歳馬で上り目もある。去年のアルナスラインと同厩舎であるのも重なりあう。

○メイショウベルーガ

 牝馬の挑戦は過去を見ても全く勝負になっていないことを判っていながらの対抗評価。追い込み一手の彼女を指名するのは過去の天皇賞の傾向からすれば暴論であるが、前走の内容や京都替わりそして案外天皇賞・春で上位に来る福永に乗り替わることもプラス材料。血統は言うまでもなく、母の父サドラーズウエルズも含めアドマイヤジュピタと同配合で血統派は買うのが筋の馬、人気が落ちるのも妙味。

▲トーセンクラウン

 昨年のマイネルキッツの再来を狙うのが同馬。父オペラハウス、母の父ダンシングブレーヴとメイショウサムソンと同配合、しかもサンデーサイレンスの近親と昨今の天皇賞・春で来る馬のエッセンスを全て網羅している。これまで長距離を使わなかったことや

関東馬で菅原泰厩舎かつ江田照騎手が鞍上ということで、血統が良いのにもかかわらず人気がないが昨年のマイネルキッツ以上に期待を持ちたい。

前走の日経賞は中山記念からの一気の距離延長でしかも外枠からの出走で壁を作れずかかったがそれでも、前が厳しい流れで3着と好走、スタミナを問われたレースであれほどのパフォーマンスを出せれば天皇賞・春の舞台で期待が持てる。余談だが菅原泰調教師は

トーセンクラウンの評価をランニングフリーより上と豪語しているらしい。

★ベルウッドローツェ

 関東馬の栗東滞在がトレンドになってきている昨今、昨年もマイネルキッツが成功したが今年もこの観点からこの馬を最大の惑星馬として取り上げたい。昨年のエリザベス女王杯のクイーンスプマンテで実績のある小島茂厩舎の同馬はすでに京都の2400m戦での勝利があり、しかも父のダイタクは歓迎しないが母の父も含めて重厚なステイヤー血統を持ち本質的なスタミナ勝負になった時に一発を秘める。ホクトスルタンが回避してミッキーぺトラやゴールデンメインらが先行するレースだからこそ思い切ったレースを的場ジュニアが描けば大駆けも。

△マイネルキッツ

 昨年はすべてがうまくいった感じでGIのタイトルを射止めたが、今年は臨戦過程に不安(蓄膿症の発生で今年は栗東入厩が1週間遅れる)があるし16番枠も相当不利に働く。松岡騎手がインに潜り込むことを想像するのが出来ないのが現状。調教内容も昨年に劣る。でも血統は折り紙つきなので買わないわけにいかないので一応押さえる。

その他

フォゲッタブルは臨戦過程や騎手の乗り替わりローテーションを含めて買い目に入れたくない。人気薄のトーセンとベルウッドへは押えるが…。

今回の予想でジャガーメイルの取捨を最後まで迷ったが、バッサリ切り捨てる。というのはこの馬が京都の3200mの適性があるとは思えないからだ。

過去の好走時の位置どりや上りを見ればわかるが、賞味600mの上りの競馬(しかもコーナーが少ない競馬)になる展開ではないと走らないのだ。

前走の京都記念が典型でブエナに肉薄できたのも頷ける(仕掛けは残り600mから)。天皇賞・春はラスト800mから11秒台のラップを刻む厳しいレースになるので直線を向いたときに位置取りが必然的に後方になってしまい届かない。入着はしても連対圏までは難しいと思う。直前の調教をやりすぎた点や外国人ジョッキーに乗り替わるのもマイナス材料。エアシェイディはハイペースで後方に構えて着を拾うタイプでここは家賃が高い。

ナムラクレセントはやはり必要以上に人気になっており購入したくなくなった。


 フローラSはステイヤー的要素の血統を持った馬がよく来る傾向がある。

もっといえば、ダートでも走れる血統の馬もよく来る傾向がある。本来、開幕週の馬場はスピード重視でサンデー系と軽いミスプロ系などが好走する筈であるが、4月の東京開幕週はちょっと違う。というのは、野芝が生育途中で芝自体が少なく、2月開催後に洋芝の種を蒔いているからこの時期は洋芝が多く占める馬場となり、比較的力がいるのである。草丈も洋芝が10cm以上で設定されており力がいる。

 最近の傾向では、フラワーCの連対馬がここに直結しているが今年は該当馬がいない。そのフラワーCでサンテミリオンがスローペースに対応できず3着に甘んじたのが積極的にこの馬を積極的に推せない理由。馬群に包まれて脚を余したという話もあるが、本質的にスピード不足を露呈した形となったものと考えるのが自然である。東京替わりは好材料ではあるが、取りこぼす可能性もある。明日もテンにいく脚がないだろうから中団の競馬となるからして差し遅れの危険もはらむ。フラワーC4着のベストクルーズも脚の使いどころが難しい馬で、田中勝騎手への乗り替わりもマイナス材料でこれも強く推せない。

 フラワーC組が来ないときは、未勝利勝ち馬でも間に合ってしまうのがフローラSの特徴。わざわざ、東上してきた藤田騎手と四位騎手が乗るアスカトップレディとメジロジェニファーの可能性に賭けたい。

 前者はアドマイヤボス産駒で力のいる馬場は歓迎の口、しかも前走の未勝利戦の上り3F11.6-11.2-11.6とまとめており案外爆発力があるのも評価。

 後者は血統面から推したい口、父ホワイトマズル&母の父サドラーズウエルズということで本番はいらないがここで買いとみた。前走の未勝利戦こそ相手は弱かったが上りもまとめてしっかりとした内容で好評価。

 あとはアグネスワルツについて触れておきたい。普通に考えて骨折明けの同馬を評価すること自体があり得ない話だが、これまでのパフォーマンスはアパパネを凌ぐ内容。距離延長は歓迎できないが、あっさり逃げ切ってしまってもおかしくない能力を持ちえており注意はしておきたい。ブルーミングアレーは相手なりに走るタイプでここも善戦に終わる可能性があるとみて押えまでの評価とする。

 今日は関東地方は冬に逆戻り。冷たい雨が降りしきっております。中山競馬場の馬場発表が不良とかなり悪化している。明日も雪もしくは雨が降る予報が出ており、日曜日にパンパン馬場を期待するのは難しい情勢である。回復しても稍重までとみており、

いつも以上にスタミナが問われる皐月賞となると考えるのが自然だろう。

 過去の傾向をみる限りでは、6番人気以下で皐月賞の連対を果たした馬の傾向ははっきりしている。血統面からみれば、父系はサンデーサイレンス系が大多数を占める。それなら人気馬も当てはまるので、母系に着目したい。母系がダンシングブレーヴやトニービン、ニジンスキーそれからサドラーズウエルズを持つ馬が激走している。つまり、欧州血統=スタミナ血統をも持つ馬の激走である。これに加えて、1600m戦での好走歴・中山芝コース実績・重賞戦実績(常連ならなお良い)などを持ちうる馬に注目したい。

ネオヴァンドーム(前売り9番人気)~母の父トニービン、きさらぎ賞1

ゲシュタルト(前売り12番人気)  ~母母父サドラーズウエルズ、スプリングS2着、芝1600m新馬1

ダイワファルコン(前売り11番人気)~父ジャングルポケット、弥生賞3着、芝1600m戦(1.1.1.0

ヒルノダムール(前売り5番人気) ~母の父ラムタラ、若葉S2

弥生賞1着馬が皐月賞で連対するケースは、アグネスタキオンやディープインパクトなど圧倒的な実力を持っている馬である。ヴィクトワールピサについては、それに該当するほどのスケールを感じることができず、軸馬として考えるのは難しい。

ローズキングダムのように朝日杯1着からクラシック戦線へ挑んでくる馬は全て連を外しており苦戦必至か。

エイシンアポロンは芝1400mの重賞勝ちがあるようにここはマイナスと考えるのが自然(コスモサンビームにそっくり)。

ハンソデバンドはよくある共同通信杯勝ちの関東馬といったところで、母父アフリートからしてもここは足りない。

人気馬で信頼ができそうなのが、アリゼオのみである。血統面からはサンデー系ではないので強調できないが、スプリングS1着をはじめ中山芝コースで2戦2勝というのがセールスポイント。先行脚質もグッド、大外18番枠だがすんなりいけそうなメンバーである。

関東馬が今年のGIレースで席巻しているが、その勢いをこの馬が引き継ぐことになるのだろうか。

前掲4頭にアリゼオを加えた5頭で勝負したいと考えている。