シンイ〜甘味処

シンイ〜甘味処

韓国ドラマのシンイにはまり、無謀にも自分で二次を書いてしまいました。
素人の書く拙い話しです、お暇なときに読んで
くすっと笑っていただけたら嬉しいです


皆様こんにちは(*^▽^*)

素人の主婦の描く二次の世界へ
ようこそいらっしゃいました。

ただいま管理人が多忙のために
ゆるゆるの気まぐれ更新となっておりまが
気長にお付き合いいただけたら嬉しいです

甘味処の描くイムジャカップルを
楽しんでくれたら幸いです♪

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優しい声に弾かれたように振り向く。
困ったように歪んだ笑顔を向けると
チェ・ヨンの胸に飛び込んだ。

「どうしました。」

労わるような問いにチェ・ヨンの胸に
顔を擦り付け頭を振っている。

「何でも、ない。私の我、儘だから。」

止まらない涙の所為で言葉の途中に
息継ぎがはいる。
肩を震わせるウンスの背中を宥めるように
ぽんぽんと叩き続ける。

「すまないテホグン殿。
俺が泣かせてしまった。」

ムン・チフが頭を下げるが
少し前に背後にいたチェ・ヨンは
二人のやり取りを聞いていた。

ウンスの気持ちも師父の気持ちも
分かるだけに何も言えない。

「いや、ムン・チフ殿の所為ではござらん。
イムジャの・・願いゆえに。」

師父の最期を見届けたチェ・ヨンとしても
ウンスと願いは同じ。
だが武士であるがゆえに
己れの生きる道を曲げる事など
出来ないことも理解していた。

「・・それでもイムジャの言葉を
忘れないでいてください。」

胸に秘めるウンスへの想いを知るチェ・ヨンは思う。
ウンスの願いは言霊となり
師父の胸の奥深く残る楔となるだろう。

これから先は己の信念を携えた師父の人生だ。

ウンスの背中を摩り落ち着くのを待って
師父に問う。

「ムン・チフ殿、そろそろではないか?」

チェ・ヨンの言葉に腕の中の人の身体が強張る。

「・・恐らく。」

その問いにムン・チフが目顔で尋ねる。

「大護軍殿は何故にそう思われた?」

「剣が騒ぐ故に。」

「そうか・・。」

この会話に混乱するウンスが二人の顔を
交互に見てチェ・ヨンの胸元を叩き問いかける。

「どういうこと?
天門が開くの?何で二人には分かるの?  
ねぇ?!」

何でと言われてもどう説明して良いのか
二人にも分からない。

ふと、風が吹く。

空にかかる雲がゆっくりと渦を巻いていく
その場にいた三人の視線が天門のある方向へ。

「い、行ってみましょう!」

ウンスの声に弾かれたように三人が走り出した。








緩やかな坂を上がり
大きな岩が組まれている天門にたどり着く。

息を乱す事ない二人の武士とは違い
ウンスは息も絶え絶えだ。

「はあ、はあ、はぁぁ・・・ちょっと待って・・。」

腰を折りチェ・ヨンの腕に縋りつきながら
呼吸を整える。
目の前の石組みから風が
吹いたり止んだりしていた。

「・・開くの?」

隣にいるチェ・ヨンに問う。

「恐らくは。
以前イムジャを・・攫いに行った時も
天に兆しがあってから開きました。」

「あ、また言ってる。
攫ったじゃなくて『迎えに来た』よ。
そこ、間違わないで。
全く、いい加減に覚えてよ。」

天界から引き離した事に
罪悪感を持ち続けるチェ・ヨンを
戯けたように叱る。

「イムジャにはかないません・・。」

朧げながらに二人の経緯を知るムン・チフも
ウンスの気遣いが手に取るように分かった。

「ウンス殿は此処で生きていく覚悟が
あるのだな。」

「そうよ。
なのにこの人ったら何時までも
そんなふうに言うのよ。
このウンス様の覚悟を舐めてもらったら困るわ。」

ムン・チフの言葉に胸を張り
ふふんと顎を上げる仕草で戯けてみせる。

「大護軍殿は果報者だな。」

「あらっ、それは違うわ。
私が果報者なのよ。うふふ。」

幸せそうに笑うと
チェ・ヨンがその小さな肩を抱いた。

輝くようなウンスの笑顔を見て
ムン・チフは安心したように頷き、思った。

ーーもう良い。・・・充分だ。
       


三人でそんなやり取りをしていると
天門の風がびゅっと吹くと
青い稲光が現れては消える。

三人の視線が天門に集まる。
そして武士二人の鬼剣が
カチャカチャと音を立てて震えると
ぶわっと一際強い風が吹き抜けた。

天門に渦が巻いてる
大小の青い稲光がその中心へと
流れ混むように火花が散る。

「・・開いたわ。」

何度も天門を潜ったウンスが
肌で感じる異世界へ開かれた気配。
渦の中心へと風が流れ込む。
真っ暗な穴が大きくなったり
小さくなったりしながら段々と広がってゆく。

ムン・チフが砂利を踏み一歩前へ。

「如何やら、別れのようだな。」

ごうっと風が吹く
強風が三人に吹きつける。

震える華奢な肩をチェ・ヨンの逞しい腕が
抱えるように抱き寄せた。

「ムン・チフさん・・ちゃんと生きてね。
食べて、寝て・・笑って・・家族を、
つくって幸せになって・・。」

鳶色の瞳から壊れたように涙が溢れ止まらない。それでも最後の別れの時まで一瞬たりとも
瞳を逸らすものかとムン・チフを見つめている。

「大護軍。・・・・ウンス殿。
色々と世話になった。この恩は生涯忘れない。」

ムン・チフがチェ・ヨンに向かって
深く頭を下げる。

「ムン・チフ殿。
イムジャの言葉を忘れないでください。
イムジャの・・笑顔を護る為にも。」

チェ・ヨンの目の渕が赤く潤んでいる。

「ムン・チフさん、
絶対に、絶対に、忘れないで・・」

ウンスもしゃくりあげながら
チェ・ヨンの言葉にうんうんと頷いてる。

「・・・ああ、忘れまい。
ではウンス殿、最後にひとつ願いを
叶えてはくれんか?」

「な、なに?」

チェ・ヨンの胸元にしがみつきながら
涙を流すウンスに乞う。

「笑ってくれ。
笑って見送って欲しい。」

そういうと照れたように
ムン・チフの髭に隠れた口元から
暖かな笑みを浮かべた。

「あ、ムン・チフさんが笑った!」

初めて見る柔らかい微笑みに
ウンスもつられて笑顔になる。

涙を流しながらも
何時もの明るいウンスの笑顔を見つめると
小さく頷いて天門の中に飛び込んだ。















お久しぶりですkenちゃんですニコニコ

皆さま、大変な時期ですが
お元気に過ごされていますでしょうか
自粛で大変だと思いますが
心穏やかにおられることを願っております。

さて、突然のブログ休止にご心配をおかけしております
私事ですが以前から緑内障を患っており治療していたのですが去年から病状が悪化し、視野欠損が進んでしまい視力と視野が急激に落ちてしまいました。

そんなこんなでドクターストップがかかり泣く泣く活字離れしております。
新しくお話しを書くまでには至ってはおりませんが下書きしてあったものをアップしようと思います。
こんなときなので少しでも皆さまに癒しを届けられたらと。

それから休止中の当ブログにメッセ、コメ、アメンバー申請ありがとうございます。
返信できなくてすいません。

kenちゃんよりニコニコ