法科大学院生の日常業務日誌
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既習1年目後期を振り返って。

コメントをいただきましたので、さっそくではありますが、うちのロースクール(とくに2年次後期)を振り返ってみて少し思うところ等を書いてみます。


うちのロースクールは、2年次後期(既習1年目後期)が一番厳しい学期であるといわれています。というのも、基幹科目だけでも、


民法総合2(原状回復・不法行為)

商法総合2(紛争予防)

民事訴訟法総合1(判決・複雑訴訟以外)

刑法総合2(共犯・刑法各論)

刑事訴訟法総合2(公訴の提起、公判、証拠法)

公法総合2(行政法総論・憲法訴訟)

法曹倫理


と、7科目がそろっており、科目数のみならず各科目の負担も相当なものだからです。


ただ、各科目を担当される教授によってその負担の重さはかなり前後します。現在、専攻長をなさっているS教授(民法総合2)、刑法の若手有力学者のY教授(刑法総合2)、民訴の大御所で今年度の試験委員もなさっている最恐の呼び声高いY教授(民事訴訟法総合1)。この3人が一同に会する可能性があり、もしそうなると、予習にかなりの神経を使うことになるからです。私は、民法以外の2人の教授に当たりましたが、それでもなかなかきつかったです。ちなみに、S教授の講義は他のクラスの録音をもらいました。


しかし、授業の予習等がきついのは裏腹に、学習範囲はかなり重要なものばかり。例えば、今年の新司法試験では、この学期の授業の範囲からかなり出題されたと思います。


私の場合、2年次前期で何とか予習と復習のバランスのコツを掴むことができましたので、2年次後期には、さらに復習に力を入れられるように早い段階で大まかな勉強の計画を立てるようにしていました。

しかし、実際に学期が始まってみると、民事訴訟法総合1のY教授の負担が思っていた以上に重くのしかかり、中々リズムに乗れなかったことをよく覚えています。あの授業中の空気の冷たさは他に経験したことがありません。


他のロースクールのことはよくわからないのですが、うちのローでは、一部の科目、一部の教授を除いて本当にわかりやすく新司のためにも有用な授業を展開されると思います。ですので、その役に立つ授業を見極めて、役に立つ授業にウェイトを置きつつ予習を行い、先生が外れてしまった科目については、予習はそれなりにとどめ、復習の段階で他のクラスの有用な授業の録音等を手に入れてきっちりと自分のものにするということが大事だと思います。


そして、復習の際には、定期試験対策のみならず、新司法試験前にまで見返すことができる自分だけの知識整理ノートを作成することをお勧めします。例えば、商法総合では会社法事例演習に沿って授業が展開されると思いますが、その分野順に、予習+復習で新司の択一と論文対策にすぐに見返すことができるように「情報を一元化」したノートを作るのがいいと思います。これがもちろん定期試験対策にもつながります。


具体的に私が行っていた作成方法としては、

ノートの見開き左のページに予習(ワードで作成したものを分けて貼り付け)と復習(張り付けた部分のすぐ下に書き込み、訂正等)を行い、右のページは空けておく。その後、時間を空けての問題演習(択一、論文のどちらも)等で仕入れた知識や判例の規範部分、などを右ページに適宜補充、というものでした。


時間はかかりますが、、継続してそのように「情報の一元化」をする作業を面倒だと思わずに行っていると、新司前の復習に非常に楽になりますし、せっかく一度手に入れた知識等の抜けが少なくなります。


私は、上記のような作業を行っており、2年後期の時点では答練は一切行っていませんでした。ゼミも、友人と、民法・民訴の予習ゼミを行っていただけでした。このことについて、今でも間違っているとは思いません。


以上をまとめると、2年後期の時点で重要だと思うことは、

①有用な授業をしっかりと見極めて、各科目の予習・復習のウェイトを判断すること。

②後々まで利用できるように、情報を一元化したノート等を作成すること。

だと思います。


長文になりましたが、だいたい以上です。抽象的になってしまったかもしれませんね。



ご報告とブログの再開。

ブログをずっと放置してしまいました。


先日、今年の新司法試験の合格発表があり、無事に合格していました。

大きなミスもいくつも見つかっており、自分としては万が一にも受かっていることはないだろうと思っていたため、うれしい半面、とても驚いています。


そして、ブログについてですが、私自身過去の合格者のみなさんの有益なブログを見て参考にさせていただいた部分が多々ありますし、少しでも役に立てるような情報を記載できるように再開したいと思っています。


これから就活、修習となかなか忙しくなりそうですが、今年の新司で自分がどんなことを考え、どんなことを書いたのか、どんな感じ(勉強時間、ロースクールのこと、基本書等)で勉強していたのか、修習に入るまでの流れなど、を徐々に記事にしていければいいかなと思っています。

3年後期授業紹介。

今日は3年後期の授業紹介を。


現代商取引法
範囲:商行為法
教科書:指定なし
内容:講義形式。基本的に予習な不要。内容は、わかりやすい、役に立つ、先生の人柄が
よいと三拍子そろった超優良授業。レジュメも特に使うわけでもないのに、頭にすっと入ってくる。商行為法の択一対策はこの授業ノートだけで十分。毎年担当される教授が代わるのでその点は注意。


民事執行・保全法
範囲:執行および保全
教科書:特に指定なし・詳細な配布レジュメ。
参考書:リーガルクエスト民事執行・保全法
内容:うちのローでは、3年後期まで民事執行保全法の授業がありません。このカリキュ
ラム自体、非常に違和感を感じますが、授業内容自体は非常に丁寧かつ高度。復習課題が章毎に出され、それを次の授業の最初にランダムに当てる。それ以外は講義形式。民法・民訴の良い復習にもなってありがたい。3年次のほとんどの学生が取っているのではないでしょうか。 




倒産処理法事例演習
範囲:倒産処理法全般
内容:ゼミ形式。先生は現役バリバリの弁護士。21組のペアで事例問題についての解答
を作成し報告。問題はそこまで高度でもないけど(でも結構難しい…)1回1回の分量がかなり多く、しかも準備期間が1週間しかなく、かなり急いでやることに。選択科目が倒産法の学生のほとんどが取っている授業だと思われます。 


民事裁判演習
範囲:民事訴訟法全般・要件事実全般
教科書:第1審解説・類型別要件事実などの法曹会のもの。配布レジュメ(模擬記録)

参考書:アルマ民事訴訟法・民事訴訟法講義案等
内容:実務家裁判官の方によるゼミ形式による授業。基本的には裁判所の立場に立って、
訴状審査から口頭弁論、証拠及び争点整理手続、証人・当事者尋問等の証拠調べ、判決、強制執行までの一連の手続を模擬記録に従って検討していく形式。予習自体の量は少ないが、授業で予習レジュメ以外の知識(択一対策になるようなもの)も含めて非常に多くのことを聞かれるので、なかなか勉強になります。




医療訴訟の現状と課題
内容:大阪地裁の医事部の現役裁判官の方の授業。
医療訴訟を題材として、実体法・手続法で訴訟上ポイントとなる点を概観する形。講義形式が中心ですが、授業によってディベート形式を取り入れたり、問題演習形式を取り入れたり毎回工夫をしていただいています(予習はほとんど要りません)。ただ年末辺りには、実際に存在した事件を題材の記録演習も予定されています。先生も非常に熱心な方でかつ非常に面白いお人柄。実体法でいえば、不法行為法の大まかな復習にもなり、役に立つ授業です。



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