格ヲタの皆様、明けましておめでとうございます。

さて、2日前のRIZIN.14で行われたメイウェザーvs那須川天心について総括していきますが、Twitterではなく、まさか自分が再びブログを投稿するとは思ってなかった。理由は単純に140字以内に納めるのが難しいと同時に、ここまで格闘技を観ていて感情を揺さぶられるシーンは久しぶりだったからと言うのもある。

メイウェザーvs天心。ボクシングルール3分3Rでのエキシビジョンマッチの結果は、メイウェザーの楽勝。那須川の大惨敗と言う観ている者はあまりにもフラストレーションの溜まる結果で呆気なく幕を閉じた。

戦前の見立ては、10億という小遣い稼ぎに来たメイウェザーが、那須川相手に3分3Rダンスを踊るように動き回りながらディフェンスし、それに対し那須川が一発でもパンチを当てられるかどうかの見方であった。

私もその1人であった。いくら那須川ファンの私でもメイウェザーに勝てなんて口が裂けても言えない。と言うかほぼ不可能。無理だ。私もメイウェザーの試合は彼が現役中、2010年のシェーン・モズリー戦から2017年のコナー・マクレガー戦までの試合をリアルタイムで全て見てきた。だからこそメイウェザーの凄さと言うのも分かっていた。しかも4階級違うウェイト差がある上にメイウェザーの土俵であるボクシングルール。大人と子供がタイマンの喧嘩をするようなものだ。

しかし、観光気分でエキシビジョンの試合をするメイウェザー相手に、那須川天心と言う日本のキックボクシング界の歴史において、最高傑作とも言えるこの天才なら「一発ぐらいパンチを当てられるんじゃないか?」と言う幻想があったのも事実だ。メイウェザー相手にボクシングの土素人がパンチを当てるなんてそれだけでも奇跡だ。そして、例えこの試合がスパーリングのような3分3Rになり、世間からバッシングを受けようともRIZINと那須川天心と言う名のブランドが、世の中の多くの人に知れ渡る事実には変わりはないし、「あのメイウェザーと拳を交えた日本人」として、那須川にも格が付く。後は那須川がメイウェザーの小遣い稼ぎとRIZINの視聴率や金稼ぎの為の生け贄にだけはならないでくれと強く思っていた。が.....


1R、メイウェザーは予想通りお遊び程度のようにパンチを放ち、「ほれ、こいこい」と挑発する。そこへ那須川の渾身の左ストレートがメイウェザーの頬を霞める。
その表情が一変し、ブロッキングしながら圧力を強めた。


「いかん。」


メイウェザーの表情とブロッキングしながら前へ出続けてきたメイウェザーを見て、倒しに来たと即座に分かった。

その後は、見るも無惨な残虐ショーだ。それはそうだ。ただでさえ相手の土俵でウェイト差もあり、しかも世界最高のテクニックを持ったボクサーであるメイウェザーだ。倒しにこられたら、こうなるに決まっている。


結果、メイウェザーが2分弱で10億を楽に稼ぎ、那須川は大晦日世間から、これまでにない注目を浴びる中、見るも無惨にプロになってから初のKO負けを経験した。しかも、完全に遊ばれた形で。


皆が予想していた展開は、希望的観測、根拠のない空論、楽観視、「こうであってほしい」と言う発想に過ぎなかった。
那須川は本気で倒しに行った。そしてメイウェザーはそれに応え、やられた。それはエキシビジョンとは言え倒しに来た相手を倒すと言う極めて普通のことだ。


私が想像していた最悪のケース。那須川はRIZINとメイウェザーの生け贄になってしまった。その事実に那須川が負けた直後、私は悔し涙が止まらなかった。

これから、世間は那須川に対し、いくら彼がキックボクシングで結果を残そうと「メイウェザーに遊ばれ、ボコられた選手」と言う根強いイメージを持つだろう。
才能溢れる可能性に満ちた彼が、世間からそんなイメージを持たれる事実がただただ悔しかった。


でも、彼がこの屈辱を払拭するには、今より強くなって勝つしかないのだ。以前のように、いやそれ以上に勝って勝って勝ちまくるしかないのだ。

この敗戦で那須川が初めて人間臭い一面を見せた事で「那須川天心のファンになった!」と言う方をSNS上で多く見かける。地にまで落ちた人間の復活していく物語を観たいという人も多いだろう。皮肉にも、この敗戦で那須川のファンは更に増えたように感じる。

その物語を那須川は見せていくしかないのだ。

話は少し逸れるが、青木真也の著書「空気を読んではいけない」でこのような、文があった。

『所詮世の中の人は気まぐれだ。勝ったら勝ったで皆持ち上げてくるし、負けたら負けたで皆去ってく。だから、周りの評価に一喜一憂してはいけない。』


那須川天心よ、ここからの復活の物語で世間を見返し、誰も手の届かない唯一無二の伝説となれ。