これは銀河鉄道の夜の後日談的二次創作
前アップした作品と合わせて楽しんでください
銀河鉄道の夜との、差別化をするため
ジョバンニを佐藤 蓮(さとう れん)
カンパネルラを鈴木 蒼(すずき あおい) とする
命環鉄道の永遠の旅
丘の上には、夜風がそよぎ
草の先に小さな露が光っていた。
遠く町の灯りは眠るように瞬き
空には数えきれない星が散りばめられていた。
ジョバンニは、その星を見上げながら
ひとり静かに息をついた。
胸の奥には消えない痛みがあった。
友のカムパネルラを失ってから
時は止まったように感じられていた。
けれど、今夜の空はいつもと違って見えた。
星々が、まるで彼を呼んでいるように。
そのときだった。
――カタン、と微かな音がして
どこからともなく汽笛が響いた。
振り向いたジョバンニの目に飛び込んできたのは
ありえない光景。銀河の光をまとう列車が
夜空にその姿を現したのだ。
列車の扉が開き、長い黒いコートを着た車掌が立っていた。
どこか見覚えのあるその男は静かに言った。
「さあ、ジョバンニ。あなたの旅はこれからです。
これは、永遠を巡る旅。」
ジョバンニは導かれるように列車へ乗り込んだ。
車内には、見慣れた顔が待っていた。
カムパネルラだ。
彼は静かに微笑み、言葉を交わさずとも
その存在だけでジョバンニの心を支えていた。
窓の外に広がるのは、まばゆい星の海。
見知った星座も、遠い銀河も、次々と列車は駆け抜けていく。
やがてジョバンニは悟った。銀河鉄道は単なる乗り物ではない。
命の巡廻(めぐり) を映す鏡なのだ。人は皆、星の海から生まれ
光となって宇宙へ還る。それは終わりではなく、美しい循環だった。
列車は時を超えた駅へと停まり、二人の前に過去と未来の姿が映し出された。
楽しげに遊ぶ幼い自分たち。経験を重ね、年老いた自分たち。
そのどの顔にも、穏やかな笑みがあった。
旅が進むにつれて、ジョバンニの心から悲しみは消えていった。
「命は個別の旅であると同時に、宇宙という大きな循環の一部なのだ」と
気づいたからだ。愛する者との別れは終わりではない。
彼らは次の旅路へ進み、そしていつかまた巡り会う。
カムパネルラも、この銀河のどこかで光となり、生き続けている。
そして今、彼は隣にいる。
列車は止まらなかった。銀河の果てまで続くレールを
光の速さで駆け抜けていく。窓の外では、星が生まれ、消え
新たな輝きが瞬いていた。
ジョバンニはそっとつぶやいた。
「カムパネルラ、僕たちの旅は、これで終わりじゃないんだね。」
カムパネルラは優しく頷き、二人は静かに微笑み合った。
銀河鉄道は決して止まることなく、永遠に宇宙を巡り続ける。
二人の魂もまた、星々の光に包まれながら
寄り添い、巡り、どこまでも旅を続けていくのだった。








