剣先を正中線から外さない攻め。

ある意味、剣道人にとっては当たり前のことだ。

しかし、高校レベルではそれが徹底されていない。

どうしても、打突することに意識が向くため

正中線から外れることが多い。

 

正中線に竹刀があれば、たとえ面や小手を打突されたとしても

「一本」にはならない。

 

正中線から竹刀を外さないことを意識して、

さらに、前に前にと間合いを詰めていく。

 

相手が打ってきたら、

竹刀の鎬でかわす。

気が充実していたら、

出ばな技も可能であろう。

 

相手が近間を嫌って下がったときは、

こちらが攻めていく。

下がったところに技を食らうと

よけられないこともあるし、

のけぞったりすると、

「引き際の面」は「一本」になりやすい。

 

あるいは小手面などの連続技も可能である。

 

剣道の稽古には大きく分けて3種類だと思っている。

 

1,基本技の反復

2,かかり稽古などの追い込み稽古

3,「攻め」の稽古

 

通常は、1.2が練習の中心で、

「攻め」についてはあまり時間を取られないように思う。

また、よその稽古を見ることはできないので何とも言えないが、

「攻め」を体系的に稽古することはあまりないように思う。

 

松風塾では、初心者も多いので、基本練習は欠かせないが、

同時に、剣道の本当の面白いところは「攻め」だと思うし、

また試合に勝つにも、「攻め」の体系的な稽古は必須だと思う。

 

私自身も、生徒の稽古を指導できるのが週に2回しかないので、

その日は特に「攻め」に特化した稽古をする。

単に地稽古のようなことをするだけではない。

自分がこう動けば相手はどう動く、そのときにどう攻撃する、

ということを生徒に考えさせて、それをひとつづつ練習していく。

たくさんの技を覚える必要はない。

 

「攻め」の稽古の一つが正中線を外さないということだ。

 

この練習をすることで、

初心者だった生徒が、めきめき強くなっているのを実感している。