ナガノさんの自分ツッコミくまのスタンプを見ると思い出す女性がいる

長い話になるが久しぶりにちゃんと思い出したので人生の備忘録として残してみようと思う

ちなみにタイトルの「女」と書いて「ひと」と読ませるのは郷土の御土産「博多の女」リスペクトである
個人的には「博多通りもん」がすき





大学2年生の夏、バイトからの帰りの電車で乗り合わせた後輩の女性に声をかけた
その年の春に新しく入ってきて年齢も学年もひとつしたの子である
元々バイト先の人とはあまり仲良くする気はなく飲み会に誘われても断っていたくらいだが、なぜ声をかけたかといえば、様子のおかしい人に興味が湧くという僕の性癖にある

電車内で座席に座ってその子は周囲を意に介さず、長髪を振り乱し、一心不乱になにかを手元のなにかに書きつけているところだった(少なくとも僕の目にはそう映った)

正直全く無関係ならば関わりたくない雰囲気を醸し出しているが背景のわかる子のうえ、自らの性癖のために、ひとつしたのお嬢様学校のJDに声をかけてしまったのである

聞くと手元にあるのは手帳で、日々あった良いこと嬉しいことを書き留めていたらしい
素晴らしいことと思うだろうが、あまりに鬼気迫る勢いだったためどうしても尋常でないイメージを払拭できないまま、もっと人となりを知りたい思いからその子を食事に誘うなどして頻繁にご飯に行く仲となった



薄々気づいているかもしれないが僕は男である
若い男女が頻繁にご飯に行くというと仲が発展すると思われるだろうがそうではなかった
というのも、僕はその子と仲のいい別の後輩のことが気になっており、その子も所属のサークルに気になる男子がいるとのことで、仲のいい友達として食事を重ねたわけである
(その子は度々「私たちそういう関係じゃないですよね」という確認をしてきていた)

その子は優しく、僕の言動をものすごく肯定的に受け止めてくれる人で、元来ネガティブで嫌われることを極端に恐れていた僕がマシになったのはこの方のヒアリング、カウンセリングのおかげである、マジでありがとう、専属カウンセラーである
その年の瀬までも頻繁に食事をし、遅くまでLINEをして仲良くしていた、自分ツッコミくまのスタンプがお気に入りらしく多用している子だった

そして年度末、その子からLINEが返ってこなくなった










ちょうど前述の別の女性にも振られた頃であり、皮肉にもその子のおかげで嫌われることに抵抗が少なくなっていたこともあり、謎は残るがそういうものだと単純に思うことにしていた



年月が経ってふとその子について思うことがあった
『僕はあの子に好かれていたんじゃないか』

ナルシストの発言である
自意識過剰な楽天家の思考だが、総合的に考えて、いや考えなくてもそう思わざるを得ないのだ



僕は基本的に他人の気持ちを誰何するときは相手の状況なら自分はどう思うかを考えるのだが(大体の人がそうだろうが)
僕が頻繁に食事をし、面白くもない話を全肯定で笑って聞いて、遅くまでLINEをし、帰りの電車でふとももをなで(!)、サークルの演習に招待し、突然電話をかけたい相手はそれはそれは好きな人である

帰りの電車でふとももをなでては「先輩はダメですからね」と言われたり(!)、無造作に置いた手の指のあいだあいだに黒髭危機一髪よろしくペンを入れられたり(イチャイチャは家でしろ)、耳に髪をかけてあるのがすきだという僕に「じゃあ先輩がかけてください」と顔を突き出してきたり(しかもそのときその子は目を瞑っていた!)客観的にも僕のこと好きだろ絶対

そんな本心に当時全く気付かない僕はその子の「そういう仲じゃない」という言葉を鵜呑みにし(学生とはいえ20そこそこ生きているのになぜ気づく能力が欠如していたのか謎であるが)、「当たり前ですよ」と言葉を返したり、別の女性に対する恋愛の相談をしたりと残酷なことをした

思い慕う相手に自らに対する恋愛感情を明確に否定され、別の子について相談された上にその相談を真剣に聞き、自分の葛藤を顔にも出せないのはかなりきつい状況であるはずで、それでも相手と繋がっていたい思いからその状況を甘んじて続けていたのである、多分

そうしてあるときを境に連絡を取らなくすることで、自分と相手を遠ざけることで、関係を終わらせることしかできなかったのではないのか
それがあの返信のこないLINEなのではないか




あの頃、僕があの子の気持ちに気づければ、応えることができていたなら、僕にとっても、あの子も、どれだけ良かっただろうかと今思う



ナガノさんの自分ツッコミくまをふと目にするとその子のことを思い出し、この時期特有の冷たい一陣の風のような少しの切なさが胸の内に去来するのである
田舎ってのは地図に載ってる大きな道路でも、当たり前のように歩道があると思っちゃダメなんです

そんな道は車が来ない、または止まってるときを見計らってその横をすり抜ける

車が動いてたら脇のくぼみにはまって機をうかがう

そういう一昔前の横スクロールRPGなのね
面接官「自分のイメージの色はなんですか?」

A「白です。他の人の色をもらって…」
B「はい、オレンジです。私は活発で…」
私「青色です。誕生日が7月で海の日に近いからです。あと青色が好きだからです」