クマよ

ある日気がついた
時は流れている事に
ここに在る時間も
遠いお前が在る場所も
同じように
時は流れているのだと
世界の中には何があるか
そう「生」がある
景色の中には何があるか
そう「生」がある
季節の巡りには何があるか
そう「生」がある
この世界には「生」が溢れている


家に眠っていた絵本を久しぶりに開いてみた。
幼い頃に読んだことはあったのだろうけど、そんな記憶は全く無い。

星野道夫著「クマよ」

最初に読んだ時のインパクトはとても大きかった。

ここまで、「生」というものを強く感じさせる作品はこれまでほとんど見たことがない。

ストレートに、世界には「生」が溢れている。ということを主張し、クマを通して生きているとはどういう事なのかと考えさせられる。

一番好きな一節は、“気がついたんだ おれたちに 同じ時間が流れていることに”。この一節にこの作品の最も伝えたいメッセージが込められていると感じる。

子どもの頃の自分は、何を当然なことを言っているのだと感じていたと思う。しかし、今の自分にとっては、とても大切な世界の神秘に触れたような印象を持つ。

“あぁそうか、生き物はみんな、生まれて生きて死んでゆくのか。遠い遠い場所にいても、生きている時間は同じなんだ。”
素朴であり、みんな知ってるのに気づいていない、そんな感覚を自分の中に見つけた。