「ピピピピッ!」
午前5時。
無機質な電子音が鳴り響く。
携帯のアラームで目覚め、
周りを見回すと、妻も子供も寝ている。
起こさぬよう気を使いながら、
そーっとベットから起き上がる。
階段を降り、キッチンへ向かい、
冷蔵庫から水のペットボトルを取り出し、
500mlを飲み干す。
ハートレートモニターを装着し、
ジャージという名の戦闘服に袖を通す。
準備は完了。
意を決して外へと繰り出す。
■準備運動ははしっかり
屈伸、伸脚、アキレス腱伸ばしなど、
軽い準備運動をし走り出す。
辺りは静かで、
自分が地面を蹴る音、
息づかいがはっきりとわかるほど。
ハートレートモニターに目をやり、
心拍数をチェックしながら、
身体で刻むビートを徐々に上げていく。
7分後、自宅近くの高校に到着。
そこにはいつも先客がいる。
『スマートおやじ』歴が自分より長い大先輩。
挨拶を交わし、トレーニングを始める。
ここからは自分自身と向き合う時間。
呼吸、身体の動き、フォームに集中し、
懸垂、腕立て、
後転スクワット、V字腹筋、
斜め懸垂、ヒンズープッシュアップ、
伸脚スクワット、捻り腹筋、
ランジ、完全スラスト、
ラインダンスの順に3セットずつこなしていく。
額から汗が流れ落ち、
心臓がドクドクとものすごいスピードで鼓動する。
■やり遂げた爽快感
トレーニングを終えた後、
遣り切った事への喜び、
肉体が成長したという自信が
爽快感となって襲ってくる。
身体中の筋肉がパンプアップしているのを感じながら、
呼吸を整え、自宅へクールダウンの意味を込めて
ジョグをして帰る。
家に戻ったら、シャワーを浴びる前に
プロテインを一杯。
疲弊した筋肉にタンパク質という栄養が
染み渡っていくような感覚、
「筋肉よ、育て!」という想いを込めて流し込む。
シャワーを浴びる前に、
戦闘服を脱ぎ、鏡の前で今日の成果を確かめる。
これを週2回繰り返す。
『スマートおやじ』の一日の始まりは
爽快感によって創られている。