◆The Wannadies
The Wannadiesは、スウェーデン出身のギター・ポップバンド。1988年に活動を開始しており、同国の他バンドと比べると、日本でも有名なスウィディッシュ・ポップの代表格であるThe Cardigansの4年先輩、洗練されたサウンドと紅一点ジェニーの美しいボーカルが魅力的なCloudberry Jamの3年先輩、スウェーデン語詞での作詞スタイルを貫く国民的バンドであるkentの2年先輩にあたり、この時代に活躍したスウェーデンのロックバンドの中でも先駆け的な存在である。
The Wannadiesの魅力といえば、爽やかで親しみやすいエヴァーグリーンなメロディに、時に優しく時に激しく歪み奏でる力強いギターサウンド、ややハスキーで温かみのあるボーカル(とても主観的な感想だが、なんだか大型犬を思わせるキュートさがあると思う)、そして明るいメロディからすると意外なほど内省的な温かみのある歌詞だ。
"Wannadies" というかなり刺激的なバンド名からは想像もつかないほどポップなメロディは、一度聴けば好きにならずにはいられないものばかりで、国境を超えて愛されているのも納得できる。
そんなThe Wannadiesが、2026年4月の来日を発表。オープニングアクトを務めるのは彼らの大ファンでもあるラブリーサマーちゃん。パワーのあるギターサウンドと普遍的なグッドメロディ、そして確かな温度を感じる歌詞・・・共通する魅力を備えた親和性バッチリのコンビは4月3日(金)に大阪、4月7日(火)に東京で公演を行う。各種チケットサイトによる先行受付は12月26日から1月5日まで。ざっと調べたところ前回の来日は2000年?いずれにしても日本で彼らのライブを観られるのは貴重な機会であることは間違いない。元々のファンでなくとも刺さること間違いなしなので、ギターロックやパワーポップ好きなリスナーは要チェックだ。
◆How Does It Feel?
今回歌詞を和訳する "How Does It Feel?" は、1994年にリリースされた彼らの3rdアルバム "Be a Girl" に収録されている。スローテンポの、ポップながら何処か涙を誘う普遍的なメロディが魅力的な一曲。
サビで繰り返されるコーラスが非常に印象的で、ラスサビの終わり、美しいハイトーンの歌声に歪んだギターがオーバーラップする部分は鳥肌もの。歌詞については、報われない愛や望みへの葛藤を歌った内容だと解釈し、下記のように翻訳した。
◆歌詞和訳
So you think there's someone missing
Somebody to hug and kiss and then still be friends
誰かのことを恋しく思っているんだろ
ハグをして、キスをして、それでもまだ友達のままでいる誰かを
So you think there's more than singing
Reading magazines about the scream
I know what you mean
だから、歌ってみたり、ムンクの「叫び」について特集した雑誌を読んでみたりしても
今はこんなことしてる場合じゃないって考えちまうんだろ
お前の言いたいことはわかるよ
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
So you think you're someone special
Very glamourous, one of a kind
A brilliant mind
自分が特別な人間だと思っているんだろう
とても魅惑的で、唯一無二の存在で、
才気溢れる人間なんだって
So you find it disappointing
Realising what you won't achieve
I know what you mean
だからお前は落ち込むんだろう
自分には成し遂げられないと気づいてしまった時に
お前の言いたいことはわかるよ
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
So you think there's something missing
Something everlasting, somehow kind
It's hard to find
何かを探しているように感じているんだろう
永遠に続く、どこか優しくて
なかなか見つけられない何かを
So you think you really miss her
The perfect girl to kiss and then, still be friends
だからお前は彼女をとても恋しく思っているんだろう
キスをして、それでもまだ友達のままでいる、完璧な女の子のことを
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
Now you know how it feels
Know how it feels
And how does it feel?
お前はそれがどんな気分なのか知ってるんだろ
どんな気持ちかわかってるんだろ
一体どんな気分なんだ?
◆まとめ
"You" に対して問いかけるような形で曲が進行していくが、これは他者ではなく自己の内面に語りかけていると解釈している。望んでいながら手に入らないもの、思い描いた自分でいられないこと、そういった理想と現実のギャップに対して、「今どういう気分なんだよ」とある種自嘲的な自問自答を繰り返すようなニュアンスで翻訳した。ただ、単なる文章として読むのではなく曲としてこの歌詞を聴いた時、この "How does it feel?" というフレーズは単にネガティブな言葉としては響かない。「どういう気分だよ?」と自分を笑いながらも、それでも前を向くというか、明るく開き直らせてくれるような、あっけらかんとした優しさを感じる。
解釈は人それぞれだと思うが、理想と現実のギャップに喘ぐことは誰しもあるだろうし、それに対する葛藤を優しいメロディにのせて高らかに歌い上げてくれるこの曲は、きっと多くの人が共感し、救われるものになっていると思う。
収録アルバムの "Be A Girl" は、彼らの代表曲である "You And Me Song" や "Might Be Stars" もラインナップされているので、入門用の一枚としてもオススメだ。底抜けにピュアでポップな泣きメロを、元気が湧いてくるような力強いギターサウンドで奏でる彼らの音楽は、世代や嗜好を問わず受け入れられるものだと思うので、是非一度聴いてみてほしい。
