Greatful Days...

Greatful Days...

夢を一度は掴むも、不幸にも手放さなければいけなくなった上坂裕一郎。



色んな壁にぶつかりながら、真っすぐに人を愛する裕一郎のお話。

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 金曜日の朝、電車の中でケータイがブーブー鳴った。

 なんと、待ちに待った、松下さんからのメールが届いた。

 『返信遅くなってごめんなさい。日曜日の飲み会、多分行く来ますよ!上坂さんも行くんですか??』

 
 待った割には恐ろしい程、短い文章で軽くヘコみそうになった。

 でも、これで日曜日の飲み会に松下さんが来るのは確かだし、週末の勤務が多少忙しくても、頑張れちゃいそうだなー、なんて考えてると乗り換えの新宿に着いた。

 金曜日のフロントの仕事は、月曜日から木曜日に比べると、ちょっと忙しい。

 週末の婚礼の祝電の配達状況チェックや、受付セットやウェルカムボードの保管なんかもフロントでの管理だから、金曜日はいつもより事務的な仕事が増える。

 でも、午前中である程度のチェックと準備を終わらせてしまうと、また午後にはヒマな時間がやって来る。しかも、この日は、ほとんど課長と2人での勤務で話すネタもそんなに多くない。。。

 夜7時に上がって、タイムカードを切って、更衣室へ向かう途中、無性に一服したくなって、社員通用口の横の喫煙スペースで一服した。

 仕事後の一服は何かホッとする。

 学生だけど、社会人一歩手前で、でも就職は決まってない。

 そんな、自分の立場を考えてても、危機感を感じつつも変な落ち着きがある。

 きっと、それは今のこのバイト先が居心地が良いからなのだろう。

 それに、好きな接客が出来ていることが大きいのかも。


 土曜日、朝から晩まで館内は人で入り乱れて、忙しい時間が過ぎた。
 列席者の館内誘導とか、ホント大変でイライラしてしまうコトもあったけど、今日はほとんど2階の館内誘導を担当していたから、2階のバンケットルームで働く松下さんや鈴木さん、大野さん、剣持くんに会うことが多くて、いくらか気が楽だった。

 9時過ぎに上がって、社員通用口を出ると、鈴木さんたちがいた。

 『お!上坂君!!おつかれ!!』

 『おつかれさまです。』

 サービス課の人達に混じって、一服していると、この後サービス課の人達でごはんを食べて帰るから一緒に行かないか?と鈴木さんに誘われた。

 迷っていると、勇気も一緒に行くと言い出したので、行くことにした。

 着替えて、社員通用口でメンバーが揃うのを待っていると、なんと松下さんも現れた!!

 『あ、上坂さん!ごはん行くんですかー??』

 『うん、ありがたく誘ってもらったからね。』

 少し松下さんと話していると、メンバーが揃ったとのことで、移動開始!

 ファミレスに行ったけど、混んでいて入れず、芸術劇場の近くの定食屋さんに行くことになった。

 店内は、時間の割にはそこそこ混んでいて、全員一緒に食事するとなると結構待つことになってしまうとのことで、2つのグループに分かれることになった。

 特にチーム分けみたいなことをするワケでもないけど、腹の中では『松下さんとメシ食いたい!』ってことしか考えていない俺。。。完全に恋の病に蝕まれてる(笑)

 すると、勇気が上手い具合に俺と松下さんを同じグループにしてくれた上に、なんとテーブルに着くと正面に松下さんが!!!!

 隣の勇気を見るとニヤニヤしている。

 恋愛伝道師勇気ありがとーッツ!!!!!!!!!
 
 そうこうしながら、みんな楽しく話しながらお腹いっぱいになった。

 しかし、食事をしながらとんでもないコトが発覚。。。

 なんと・・・・


 松下さんは彼氏持ちだった!!!!!


 リアルにへコみながらも、笑顔で会話を続行した俺は、とても頑張ったと思う。

 この日の帰りも、松下さんは彼氏と待ち合わせをしていたらしく、1人先に帰ってしまった。

 
 恋は焦らずって言うけど、こりゃーマズいでしょー。


 『明日の飲み会どーしよ。。。。』

 帰りの電車の中じゃ、頭の中でそんなコトしか考えられなかった。


 
体調も戻り、結婚式場の勤務に戻った平日、フロントデスクで天気のイイ外を見ながら、社員の水川さんとくだらない話をしていた。

水川さんは、通称『みずちゃん』歳は三十路一歩手前なのに、外見は全くそうは見えないキャピキャピなお姉さんキャラ。

『平日はあたしたちいても誰も来ないし、いても意味ないよね~。』

確かに、平日は超が付くほどヒマでヒマ疲れってやつになる程。。。

実際、サービス課の人も社員の他には専業のバイトの人しかいない感じで、バンケットホールも閑散とした感じ。

俺の中での、肝心要の松下さんは学生だから学校だし、ホント平日は楽しみがない(苦笑)

そんなグダグタな感じで、上がって、更衣室に行くと更衣室に誰かいる!!

仕事を始めてから、更衣室で誰かに会うのは始めてだから、やけに緊張する。

『お疲れ様です』
そう言って、中に入って行くと、中には3人のサービス課の人がいた。

『お!もしかして、噂の新入り?!』テンション高めの色黒の多分年下と思われる男の子が聞いてきた。

『あ、ご挨拶遅くなってすみません。新しくフロント課に入った上坂と申します。』

『よろしくー!』と言われ、何だかホッとした(笑) 

すると、さっきの色黒くんが『俺は剣持って言います!』と自己紹介を始めた。
剣持くんの隣にいた細面の人が、鈴木さん、そして1人だけ椅子にドカっと座っている人が大野さん。

すると、剣持くんが『じゃあ、上坂さんにちょっとお話がありまして…』と何だか少し申し訳なさそうに話かけてきた。

鈴木さんは笑っている。

一旦、剣持くんに連れられ更衣室を出ると、剣持くんから更衣室のルールについて事細かな説明が始まった。

剣持くんによると、更衣室にはこんなルールがあるらしい。

更衣室の王様は大野さんで、命令は絶対服従らしい。

そして、更衣室にはパシリティーズ課と呼ばれるものが存在して、簡単に言うと大野さんのパシリチームらしい。

実際、俺が働く結婚式場には館内施設に不具合があると直してくれる、ファシリティーズと呼ばれる課がある(笑)

一連の説明を受けるて、更衣室に戻ると、剣持くんが鈴木さんと大野さんに『説明完了です!』と告げると、2人とも笑っている。

すると、大野さんは『上坂くんは、下駄箱にスペースある??』と聞いてきた。

『いや、まだないんです。』と返すと、大野さんはすぐに作ってくれた。

剣持くんが言うほど、怖い人ではない様に感じた。

少ししてから、先に帰ることにして『お先に失礼します。』と挨拶すると、大野さんが、『今週の日曜日の勤務後にサービス課の飲み会があるからおいでよ。』と飲み会に誘ってもらった。

『あ、ホントですか!わかりました!行きます!』と応えた。

帰り道で、『サービス課の飲み会ってコトは松下さんも来るんかな??』とすぐ松下さんのことを考えてしまう俺は、電車の中から松下さんにメールした。

でも、その日は結局メールは返って来なかった。。。

 結婚式場での初勤務の日から1週間が過ぎた。

 ホテルの仕事と比べると、覚えやすいことばかりで、徐々に仕事に慣れてきていた。

 ある週末の土曜日、朝からたくさんの婚礼があった式場にも、最後の両家が帰る時間がやってきた。

 『新郎新婦ってホント幸せそうな顔してるよな~。』

 なんて考えながら、クロークの番号札を整理していると、サービス課の人達が上がってきた。

 みんな、それぞれ『お疲れ様でーす。』なんて言いながら仲間同士楽しそうだ。

 俺は、まだ全然サービス課には知り合いがいないし、挨拶以外は交わさない感じだ。

 黙々と、クローズ作業をしていると、勇気がやってきた。

 『裕ちゃん、おつかれー!』

 『おう、おつかれ!やっぱ、週末は忙しいな!』

 『俺、もう慣れちゃったよー。』

 他愛もない話をしていると、勇気の後ろをサービス課の制服を着た小さな女の子が小走りでやってきた。
 
 『松下さんだ!今日もキレイだなー。』勇気と話しながらも、ちゃっかりチェックしてしまっている自分が、何だか自分でも笑えた。

 俺の、目線の移動に勇気が気付いたみたいで、勇気が松下さんに声をかけた。

 『おう、松っちゃん。おつかれー。』

 『おつかれさまー。』

 相変わらず、松下さんは愛嬌満点って感じ。

 そんなことを、考えながらもクール気取って、普通の返しをする俺がバカらしい。

 勇気は、俺が松下さんに興味があるのを何となく、感じていたみたいで、先に上がると言い残して更衣室へ向かって行った。

 いざ、クロークカンター越しに、松下さんと2人になってみると何を話していいのか戸惑ってしまう。

 『上坂さんって、社員さんですか??』

 スーツを着ているから、そう見えるのも無理ない。

 『いや、違うよ!バイト!就職上手くいかんから、社員になれたらイイんだけどね。』

 『あ、そうだったんですか~。米沢と仲イイんですか??』

 『あ、うん。アメリカに留学してた時に知り合って、よくパーティーとかに行ってたんだ。』

 『えー!アメリカで知り合って、日本で再会だなんてスゴいですね!!』

 一気にテンションが上がった松下さんは、思っていたいたよりも話しやすい。

 『俺もびっくりしたよ!』

 『上坂さんって、mixiやってます??』

 『あ、やってるよ。松下さん、やってるの??』

 『やってますよー。じゃあ、マイミクになりましょ!』

 彼女は、クロークカウンターに置いてるメモ用紙を、1枚取るとそこにフルネームを書いてくれた。

 俺も、彼女にフルネームとmixiのニックネームを書いた紙を渡した。


 『じゃあ、どっちが早く探せるか競争ですね!!』

 『おっけ!』

 『じゃあ、おつかれさまでーす!』

 そう言って、彼女は上がって行った。

 あまりの急展開に、俺もテンションが上がってしまった。

 彼女から、書いてもらった紙を見ながら帰りの電車の中でmixiで検索してみた。

 でも、彼女っぽいページは見つかられなかった。

 『あー、ケータイ聞いておけば良かった。。。』

 我ながら、気付くのが遅すぎる。

 家に帰って、風呂に入りながら、考えることは、ただ1つ!

 『風呂から上がって、部屋に戻ったら、ケータイにマイミク申請来てっかなー??』

 完全に、舞い上がっている俺。

 しかし、無情にも友達からのメールさえも来ていなかった(笑)

 『明日、松下さんに会ったら、絶対ケータイ聞くぞ!!』

 と、1人でワケのわからん宣言を立ててから寝た。

 次の日、熱を出した。
 子供の頃から、扁桃腺が腫れると高熱を出してしまう。

 こんな時に、体調を崩す自分にドン引き。。。

 泣く泣く、欠勤の連絡を入れて家で、風邪薬を飲んでおとなしくしていた。

 すると、昼過ぎにケータイが鳴った。

 mixiのメッセージが届いた!

 相手は、待ちに待った松下さんだった!


 昨日、メッセージ遅れなくてごめんなさい。
 今日、お休みなんですね。
 米沢が、フロントの人に聞いて、教えてくれました!
 休憩時間に、何となくお話しようと思って館内探しまわったんだけど
 全然、見つからなくて、色んな人に聞いて探しまくっちゃった^^;

 完全に、俺の気持ちを知ってるとしか思えない内容の文章にテンションが上がってしまう俺。。。

 その日、mixiのメッセージでお互いのケータイ番号を交換して、直接ケータイでメールする様になった。

 あー、こんなトントン拍子で進んでイイのかな?!

 また熱が上がりそう!!