先月に教えを受けた単体露出計を使ったスポット測光術を部屋の中で繰り返し練習して、先日の西沢渓谷での撮影で試してみました。

このときのスリーブでの露出の失敗はゼロ、、、もちろん段階露出で助けられたコマもあるのですが失敗がゼロというのは初めての体験でしたwww


「スポット測光術」自体は被写体の色による露出補正値を覚えることがひとつのポイントなわけですが、それだけでは使いこなせないのは経験済ヽ(;´Д`)ノ

露出補正の部分は一般に売られているスポット測光術の書籍にお任せするとして、ここでは単体露出計を使うことをメインにしたスポット測光術を簡単に説明してみたいと思います。

自分の場合、一部のケースを除いては基本「絞り優先」で露出を決定するのですが、単体露出計はシャッタースピード優先モードで使う方が解りやすいということを教えていただきました。

頭の中は絞り優先モードで考えて単体露出計側はシャッタースピード優先モードで操作をするのって判りづらいようなんですが、やってみると実は結構判りやすいので参考にしていただければと思います。

(数値の表記等は現在愛用中のセコニックL-508 ZOOM MASTERに準じます)


先日行った西沢渓谷での露出決定の過程を例にしてみます。


■撮影場所の状況と撮影意図(*^ー^)ノ
「七ツ釜五段の滝」の最下段は水の落口ギリギリまで凍結。その氷のオブジェの中を大量の水が轟音と共に流れ落ちている。天候は明るい曇。滝壺の水面の反射がやや気になるのでPLフィルターを使って反射を調整しつつスローシャッター気味にして滝の流れの表情も活かしたい。


まずはフレーミングを決定して絞り値をいくつで撮るのか考えます。

とりあえず今回はf/16で撮ることにします。


この場所では滝周辺に積もっている雪(露出補正値+2.0)を露出のキーにしたので、滝周辺の雪の一番明るいところを探してスポット測光します。

(ポチっとなw)


単体露出計では測光後に優先側の値を変更すると対応した測光結果を表示してくれるので、ダイヤルを回して絞り値がf/32になるようにシャッタースピード値を調整します。そして得られた測光結果は、、、


1/15s f/32.0(シャッタースピード優先モード)


絞りをf/16で撮りたいのに露出計の絞り値をf/32にするのはf/16に対して露出補正値+2.0を加味する意味です(°∀°)b

自分の使っているPLフィルターの露出倍数は2段なので、さらに補正を加え(1/15s→1/8s→1/4s)ココで仮の決定値としてカメラ側に1/4s f16をマニュアルモードで設定しておきます。
(厳密に言えばPLフィルターの効かせ具合で露出倍数は変わるのでしょうが、段階露出で上下含めて3枚を撮るのであまり気にしていませんw)


これでおもむろに段階露出で撮ってしまっても良いのですがもう少し単体露出計を使ってみましょう。


次に滝壺の水面の暗い部分をシャッタースピード値固定で測光します。

(ポチっとなw)


1/15s(固定)  f/8.0


と出ました。

この測定値から滝壺の水面の暗い部分は決定露出に対して2段暗い(f/16→f/8)のでそれほど黒潰れすることなく階調が残るであろうことが予測できます。


今度は「滝の流れ」の一番明るいところ(ハイライト部分)を測光してみます。

(ポチっとなw)


1/15s(固定)  f/22.5と出ました。


滝のハイライトは決定露出に対して1.5段明るい(f/16→f/22・1/2)ので、これも白トビせずに階調が表現されそうです。


リバーサルフィルムのラチチュードは+2・1/3~±0~-2・2/3と云われています。つまり決定露出値からハイライト側が+2・1/3より大きくなれば白トビ、-2・2/3より小さくなれば黒潰れするということです。

こんな感じでフレーミング内の"明るい側"と"暗い側"を測光してみれば、最初に仮決定した露出値が多少違っていても自分の意図した露出に修正することも出来ます。


つまり頭の中では白トビしないハズの部分が白トビする測光値になるなら最初の決定値が間違っているか、そうでなければラチチュードを優先してフレーミングを変える必要があるかのどちらかなワケです。



どうでしょうか?単体露出計を使ったスポット測光術をマスターすると現像しなくてもフィルム上にどう描画されるか解ってしまうような気がしませんか?


ちなみに先日の西沢渓谷では雪と氷の世界だったので露出のキーとなるのが雪か氷と単純でしたが、これからもっと色のある季節へと移り変わって行くのでシッカリとスポット測光術をマスターして現場で慌てることのないようにしたいと思っていますヽ(゜▽、゜)ノ