午後の西穂高岳

                  午後遅く池畔に三脚を立てた。

                  青空を背に西穂高岳だけが雲に覆われることなく、

                  斜光に輝き立体感がある。

                  なかなか好条件になることが少ない中、

                  少し影が多いが、まずまずの舞台だ。

 

                                      寸光差す

              稜線を隠している雲は移動すると思い、

              池畔に三脚を立てたもののなかなか動いてくれない。

              しばらく待っていると、帯状の光が雪の壁に差し込んだ。

              願ってもない光景に、消えないうちにとシャッターを切るのが早くなる。

記 2018・2・7

 

                                厳冬の奥穂高岳 

           日が高くなるにつれ座っていた穂高が立ってきた。

           例年になくたっぷりと雪をつけ、厳冬の山の表情を見せつけている。

           こんな凄まじい貌を見せられると、撮る方もグッと力が入り慎重になる。

           この迫力を漏らさず写し撮ろうと、踊る心を抑えて静かにシャッターを切った。

 

                                  降雪の後 

         昨日雪が降って、シラビソの樹は雪化粧している。

         やはり枝に雪が積もっている方が写真になる。

         いい事に三脚にカメラを設置後すぐに、そのシラビソ林に光が差し込んだ。

         天に感謝だ。

記 2018・2・16

 

                                 厳冬の西穂高岳

      朝の斜光で西穂そして山肌に立体感が出た。

      稜線からは盛んに雪煙が舞い上がっては濃紺の空に消えていく。

      こんな素晴らしい光景を見せられると、ただ無邪気に歓声をあげ興奮するばかりだ。

      足元では昨日の雪がキラキラと純白の輝きが目に痛い。 

 

                                    冬晴れの焼岳 

            今日は天気が良く、のんびり出来る。

            焼岳は絹の衣を羽織ってのんびりと樹林を座布団にして座り、

            パイプをふかしては白い煙を出していた。

記 2018・2・23

                       風の彫刻

        段差が少しあるかなと思われた雪面に、

        山の端から顔を出した太陽の光が差し込んだ瞬間一変した。

        段差の影が大きく鋭くなった。

        シュカブラだ。

        粉雪が絶え間なくシュカブラの雪面をなめるように流れては雪煙となって消えていく。

 

                            登行

              西穂丸山から西穂高に登る登山者を追った。

              今日は天気が良くその上風が無い。

              絶好の登山日和、歩いていて気持ちが良いだろう。

              「事故がないように」と祈るばかりだ。

              若い頃、西穂頂上から奥穂高見たさに登った事を、

              撮りながら思い出した。

記 2018・2・28

 

                                      風雪の後 

       2~3日前に山は荒れたのか樹という樹には雪が付着し、

       エビのシッポも少しだがついている樹もあって、西穂丸山稜線は冬の貌を見せていた。

       そんな厳冬の表情がある樹氷を大きく入れて、遠景に小さく西穂を入れた。

       運よく西穂に光が差し込んだ。

 

                                         夕映えの霞沢岳 

        間もなく日没、樹氷や霞沢岳が真正面に夕陽を受けて淡く染まり始めた。

        もう少し色濃くなるのを撮りたかったが、西穂の夕焼けが気になりこの場を離れた。

        なかなか出会えない素晴らしい夕焼けを迎えると、あれもこれもと忙しい。

記 2018・3・14

 

                                           燃える大地 

        太陽が稜線から顔を出すと、足元から広がる雪面が赤く染まる、

        同時に強風で舞い上がる雪煙が真っ赤な炎となる。

        まるで凍りついた雪面、明神岳・前穂がメラメラと音を立てて燃えているかのようだ。

        恐ろしいほどに風が強いが、素晴らしい眺めだ。

        長くイメージしていた光景を目の前にして、

        興奮の余りシャッターを押すのをしばし忘れていた。

 

                               残り火に淡く染まる

         太陽が稜線に近ずくと、今日最後の光を正面に受けて西穂が赤く輝きだした。

         ここに立っていると、風がなくまるで春のように温かい。

         この温かさは何だろう、夕日を受けて輝く西穂の温かさかもしれない。

         心がホッとする静かな夕暮れだった。

記 2018・3・30