上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説 -2ページ目

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

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桜の部屋に着いて、何かあったのかと水を向けると、桜が話し出した。


「…今日ね、ダンスのワークショップに参加したんだけど…」


桜の話では、そのワークショップの参加者で俺のダンスのファンだという女の子に出会ったらしい。俺のことは前に桜と出たダンス大会のときに知ったらしい。そして、ぜひ会わせて欲しいと頼まれたそうだ。


「大会の主催者に条くんのこと問い合わせたけど個人情報は教えてもらえなくて、諦めかけてたら、このワークショップでたまたまあたしを見つけて、すごくラッキーだって喜んで…」


「で?」


「『カノジョさんなら、頼んで貰えますか?』って言われたから、一応、『聞いてみるね』って…」


「言ったんだ⁈」


このお人好しが。


「で?桜は俺にどうして欲しいの?」


「え?あたし?あたしが、じゃなくて条くんが会ってもいいって言うなら会ってあげてほしいかな…」


「俺は会う気ねーけど…でも、桜が顔立てて欲しいってんなら、会ってもいい」


「顔立てて欲しいとかは無いけど、会ってくれたら彼女にとって何か学ぶところがあるかもしれないから…」


「それはないね。だって俺、プロのダンサーじゃねーし」


「でも条くんのダンスはあたしだって素敵だと思うし…」


「桜ぁ…」


俺は桜の肩を抱いた。


「あのさぁ…」


「なぁに?」


「そもそも仕事以外で俺に会いたいって言う女に下心がないわけねーじゃん」


桜は一瞬目を丸くした。


「うっわ…すっごい自信」


「自信とかじゃなくて、経験則。確率の問題」


「う。モテる人は違うな…。でも、下心があるとは限らないでしょ?純粋に条くんに会ってダンスのこと聞きたいのかも」


「それ、マジで言ってる?」


どんだけお人好しなんだよこいつは。


「だいたい、桜はいいのかよ」


「え?」


「お前の本心はどうなんだよ?俺のダンスが好きだって女と、俺を、会わせたいわけ?」