嫉妬は愛の…18 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

18


健くんが今からミッションの説明をすると言うと、マスターは店を閉めてしまった。俺たちはテーブル席に移動し、マスターも交えて5人で乾杯した。


健くんはマスターの口ぶりを真似して、


「『宝先生があのじゃじゃ馬の手綱をしっかり握ってないからこんなことになったんだ』だってさ」


と言った。


「いや、そんな言い方してないって」


とマスターが笑って否定する。


「じゃじゃ馬って…聡美のことっすか?」


「あ、まぁ…」


「それってマスターのデートを邪魔したっていう…こないだのホテルでの一件…?」


「そう」


「すみません。でもあれは聡美の正義感というか、昌さんが美人局に遭うんじゃないかって心配したからで…聡美から聞きましたよね?」


「うん。聞いたよ。ちなみに美人局に遭ったのはね、俺じゃなくて、コイツ」


とマスターは横田さんを指差した。


「え⁇」


「恥ずかしながら…」


と横田さんは頭をかいた。


聞くと、横田さんは3ヶ月ほど前、美人局の被害に遭ってマスターから借りたお金を全部失ったのだと言う。


そこで、今度はマスターが女に近づき、騙されたふりをして美人局の証拠を掴み、奴らから金を返してもらおうとしたのだそうだ。入念に計画を立て、ついに1週間前、あのホテルで証拠を掴もうとしたそのときに、聡美の邪魔が入ったというわけ。


「普通警察に言うだろ。なぁ?」


と条くんが俺を見た。するとマスターが、


「証拠が無い。それに警察は苦手だ」


とぶっきらぼうに言った。長い指にタバコを挟み、目を細めてニコチンを吸い込む。その姿がサマになっていた。


流し目で俺を見る。



ドキッ…!



「で?…俺にどうしろ、と?」