月下美人 1 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

ご無沙汰してます。三宅健界隈(?)色々あって、「ファンは理解者だ」と健ちゃんは言ってくれるけど、正直わからないだらけです。


盲目の愛は、趣味じゃない。

無償の愛は、疑わしい。

永遠の愛は、誓えない。


だけど、


今は健ちゃんを愛したい


と思います。


健とアイビーの「今」をどうぞ。



月下美人 1




土曜の晩、いや、日曜の未明。携帯の通知音にハッとして目が覚めた。


「わ寝落ちしてた」


ソファからむっくり体を起こす。テーブルの上にはパソコンととっ散らかった書類。飲みかけのコーヒー。それに、携帯。


私は携帯に手を伸ばした。


「え?」


健ちゃんのストーリーが更新されてる。時計を見ると、4時。


起きてんの?」


大きな月とうさぎのオブジェクトが写っている。何かのイベントかな。健ちゃんが企画したんだろうか。なんとなく、そうではない気がする。


健ちゃんはJ社を退社したあと、先に退社していた後輩のT氏の会社に合流した。私はT氏と一緒に仕事をしたことがないからその人となりについては、よく知らない。でも、とにかくとても仕事のできるキレ者という噂だった。(おまけにイケメンらしい)


実際、新しい会社で健ちゃんはわりと早くに素敵なダンスイベントを企画、開催できている。健ちゃんのセンスや人脈もさることながら、T氏の資金力や行動力がものを言ったのだろう。


実は企画段階で、健ちゃんは私に声をかけてくれていた。一緒にやらないか、と。だが、会社の返事はノーだった。今までのJ社と違って、単純にペイがないからだ。


どんなに魅力的な仕事も、ペイが無ければビジネスとして成り立たない。


イベントには客として顔を出した。素晴らしかったけど、多分、赤字だ。


以来、健ちゃんには会っていない。



私は、健ちゃんにコメントを送った。


『素敵だね。健ちゃんのイベント?』


すると、すぐに返事が帰って来た。


『違うよ。偵察中』


『まさかリアルタイムの写真じゃないよね?』


『まさか!こんな時間にイベントやってないって』


『まだ起きてるの?』


『寝てたら打てないだろ』



いきなりの「だろ」にちょっとドキッとした。



『仕事中?』



『そっちは?』



そっちは?と来たか


健ちゃんは、たぶん、時々眠れない夜があるみたいなんだよな。一度だけ、夜中に電話がかかってきたことがあった。もちろん、中身は仕事の話だったけど。


『また夜中に電話していいかな?』なんて上目遣いで殺し文句を言われたこともある。実際かかっては来なかったけど。



なんか、急に心配になってきた。眠れないのかな。環境の変化って、かなりストレスかかるんだよね。新しい会社で一発目の仕事が赤字だったりしたら、たとえやりたいことやれたとしても、やっぱ凹むだろうし。


そして、自分がその仕事を手伝えなかった負い目もあって、私はなんだかいてもたってもいられなくなった。



『健ちゃん、今、電話したら邪魔かな?』



明け方4時過ぎに電話なんて非常識だけどでも、先にストーリー上げたのはそっちだからね。



携帯の画面を見つめて返事を待っていたら、いきなり電話がかかってきた。



「わっ!」



着信 三宅健