ある雨のイブ ④ 再び署内 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?



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一旦署に戻った井ノ原と岡田は二宮たちと合流した。



独竜会に当たった2係の連中の報告によると、独竜会が組織ぐるみで何か隠している様子はなかったという。



「だからですね



と二宮は声をひそめて岡田と井ノ原に言った。



「ひょっとしたら、懸賞金目当てに誰かが単独で博さんをって可能性が」



「誰かって?」



「それがわかれば苦労しませんよ」



「で?日本橋の目情の詳しい場所は?」



「ホテルです」



二宮は日本橋随一の高級ホテルの名を告げた。



「宿泊者名簿は?」



「調べました。博さんの名前はありませんでした。博さんと関わりがありそうな人物の名前も」



岡田は腕を組み、ふむと顎に手をやった。



「誰かとの待ち合わせに使っただけかもしれないな」



クリスマスイブの3日前。立派なツリーが飾られた高級ホテルのロビーで白いロングコートを羽織った長野が人を待っている。あまりにサマになりすぎて、その光景は容易に想像できる。



女か?



あれだけの男を女が放っておくわけがない。だから、彼女のひとりやふたりいてもおかしくないはずだが



「長野さんって付き合ってる人いるの?」



岡田が聞くと、二宮は首を捻った。



「さぁ僕に聞かれても



岡田は井ノ原に声をかけた。



「主任、知ってます?」



「長野に彼女がいるかどうか?知るわけないじゃん」



長野のプライベートは謎に包まれていた。



ここにいる誰も長野に交際相手がいるかどうか知らなかった。



「なんでも一人でできちゃうからね、あの人。色気より食い気かも」



と井ノ原は言った。



「確かに。長野さん、料理だって上手いし。でも、一人じゃできないことだってありますよ」



と岡田が言うと、井ノ原はへにゃっと情けない顔して、岡田の肩に手を置いた。



「准ちゃ〜ん、それバツイチ独身の俺に言う?」



「いや、そういうつもりで言ったんじゃ



「これだから新婚はさぁ」



「新婚じゃないっすよ//



「新婚だろぉ?バツイチ新婚じゃねーか」


と口を尖らせる。



「やめて下さいよ//



「一人じゃできないことやってんだろぉ?毎晩」



「いや



岡田は鼻に手をやり、照れ笑いしながらあらぬ方を向いた。



やってないっすよ」



と俯いて言うと、井ノ原は大袈裟に驚いてみせた。



「やってねーの⁇おい、それ問題じゃねーか!どういうことなんだよ?ちょっと話聞かせろ!」



「いや、毎晩は、やってないって」



「何正直に言っちゃってんだよお前。毎晩やれよ!新婚だろ?今やっとかないと」



「今やっとかないとって



「そのうち『今日はちょっと疲れてるから』とか『もうそういうのいいから』とか言われるんだから!」



「言われたんすか?」



「え?」



「別れた奥さんに言われたんすか?」



岡田は片眉上げてニヤついて井ノ原を見た。



「いやあのああ、そうだよ言われたよ!悪いか!俺の話はどうでもいいんだよ!今、お前の話だ!」



「いや、ちょっと待って下さい!」



と二宮が割り込んだ。



「今は井ノ原さんの話でも岡田さんの話でもないっしょ!ふたりとも、博さんのこと、心配じゃないんすか⁈」