この関係をなんと呼ぼうか 7 上司と部下 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

7



俺は大尉をマンションまで送って行った。



部屋に入ると、大尉はワンピースの裾がまくれるのも気にせず、ドサッとソファに体を投げ出した。



「あのおせっかい!私が誰とセックスしようが関係ないじゃないのよ」



赤い顔で酔っ払いがくだ巻いてる



「おせっかいって三宅のことっすか?」



コップに水を汲んで大尉に手渡す。



「そうよ」



「だったら俺たちを無視してあのオッサンとホテルでもどこでも行きゃよかったのに」



俺は大尉の向かい側のソファに腰掛けた。



大尉はコップの水を飲み干し、手の甲で口を拭った。




「だって酔っ払ってたから三宅ってわかんなかったのよ。イケメンだから、ああこっちの方がいいわ〜ってついヨロヨロと



「とんだあばずれだな」



「何?」



「いや



「あばずれ?はーん」



聞こえてんじゃん。



大尉は身を乗り出し、俺の顔を覗き込むようにして言った。



「女が男遊びしたら、あばずれですか?じゃ、週末の夜に出歩いてナンパする男は、あれはなんて言うんですか?ケダモノですか」



「チッ。この酔っ払いが」



思わず横を向いて小声で呟いた。



「あ?」



「いや、だからね、セックスは単純に女の方がリスキーでしょ。だから健は



すると大尉はソファにもたれ、呆れたように言った。



「真面目なのねぇ日本人って。あ、あなたは日系カダール人か。だから三宅より緩いのか。私と寝たもんね」



「上司って知ってたら寝ませんよ」



「三宅も?」



「え?」



大尉は組んだ膝の上に肘を乗せて頬杖をついた。



三宅も、街で女にナンパされたら寝るのかしら」



独り言のように呟く。




脚が綺麗な女なら、寝るかも」




「何それ」




「三宅のタイプです」




つい、大尉の脚に目が行った。ワンピースから伸びた脚は、長くて綺麗だった。



タイプなのか?



好みの女が上司だったら




「もういいわ」



大尉は組んでいた脚をほどき、手で俺を追い払う仕草をした。



「帰って。ありがとう。今日のことは



俺はソファから立ち上がった。



「双子のお姉さんにも誰にも言いません」



「話が早いわね」



「失礼します」



玄関に向かおうとして数歩歩いたところで、ふと立ち止まり、振り向いた。




大尉はしどけなくソファに寝転がって、ボーっと天井を眺めている。




なぜかひとりでに脚が動いて、気がつけば、ふらふらと引き寄せられるように大尉のそばに戻っていた。




ソファの前に立ち、大尉の顔を見下ろす。青い瞳が俺の目を捕らえる。




ほんとに、大丈夫?」




少し顔を近づけ、眉を上げて囁いた。




大尉はじっと俺を見返し、それから諦めたように目を閉じた。



「大丈夫だから帰って」




どうやら、理性を失うほどに酔っ払ってるわけではないらしい。



俺は上体を起こして、ポケットに手を入れた。



「じゃ、また来週」



「よい週末を」



「大尉も」