触れたくて 4 条と桜 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

🎂剛くん、お誕生日おめでとう🎂

我らがセンター
うちの天才
永遠の少年で
永遠のイケメン
いつも夢を見させてくれて
ありがとうございます😊

みなさま
さりげなくカッコいい剛くんを
桜目線で妄想してくだされ



***



久しぶりにヴィクトリー校の門をくぐった。正門の桜は満開だった。


グランドから運動部の掛け声が聞こえて来る。4階の音楽室からは吹奏楽部が奏でる楽器の音。


同窓会館に向かって歩いていると、向こうから男の人が歩いて来るのが見えた。


ポケットに手を突っ込んで歩く見慣れたシルエット…。



条くんだ…!


土曜日だからだろう。学校なのに、カーディガンにチノパンというカジュアルな格好をしている。


条くんの前をランニングしているバレー部の一団が通りがかって、条くんが足を止める。

生徒たちは条くんに挨拶しながら通り過ぎる。

生徒たちを見る条くんの優しい笑顔。


通り過ぎた生徒たちを見送って髪をかきあげる。それから、ふとこっちを見て…



目が合った。


条くんがニコッと笑った。


「…よぉ」


私も微笑み返した。


「条くん…久しぶり」


「久しぶり」


条くんは立ち止まって私を待ってくれている。急ぎ足で条くんの前まで行くと、条くんは私を見て微笑み、くるっと背中を向けて歩き出した。


私は条くんの後について行く。


出会って、待って、それから先に歩き出す。この感じ。…条くんだ。


私は条くんの背中を見ながら、しみじみと条くんのそばにいることを噛み締める。


すると、条くんの右手がすっとポケットから出て…


ドキッとした。


デートのときは、それが手を繋ごうという合図だった。




だけど、条くんの右手は後ろポケットに回ってスマホを取り出した。


「ちょっと早いな」


時間を確認して、またポケットにしまった。


条くんも私も、いつも早め。件先生はいつもギリギリ。


すると、条くんがふいに振り向いて、私の全身に目を走らせた。


条くんの視線が駆け抜けただけで、ドキドキする。


今日は淡いピンクのニットと白いフレアスカートだった。

な、何?に、似合ってない?


条くんが眩しげに目を細める。


「春だな」


それだけ言って、また前を向いた。