カミセンのランバダ 15 浮気 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目の更新です。14 ただいまがまだの方はそちらからどうぞ。














やっべぇ…。

あぶねーなほんと。絶対浮気できないよな俺。いや、しないけどさ。


脱衣所で動画をチェックすると、バッチリ佐久間の腰を支える俺が映っていた。


「マジかよ。まずいじゃん。ちくしょう」



見ても俺を責めたりはしないだろうけど、ゆかりの性格からして、絶対凹む。


「見せらんないでしょ」


サクッと動画編集アプリでカットした。


一瞬、先生と踊りたかったの、と言ったときの佐久間の表情がよぎった。


湯舟に浸かって、新年会の様子を思い出す。行き着く先は、パフェを前に切々と想いを打ち明ける佐久間の涙を堪えた表情だった。


今頃、うちに帰って、ひとりでどうしているだろう。


佐久間のことをちゃんと理解してくれて、大事にしてくれる男が早く現れるといい。

もちろん、俺のためじゃなく、佐久間自身のために。


だって、俺にはどうしてやることもできないから。





風呂から上がって、ゆかりと一緒にベッドでランバダの動画を見た。


「え?これで終わり?」


「うん」


「いきなり切れちゃったね」


「そうだね」


「この後、まだあったの?」


「いや…。なんか井ノ原校長とか出てきてちょっと踊って終わり」


「ええ?井ノ原校長も踊ったのー?」


「うん」


「見たかったー!」


「そう。あの人さー…」


って佐久間の部分を除いてランバダの話を面白おかしく話して聞かせた。


ゆかりと他愛ない会話をしながら、今頃ひとりでいるだろう佐久間の姿が頭をよぎる。


寝転がったまま、ゆかりを後ろから抱き締めて柔らかいゆかりの胸の感触を確かめる。


「ゆかり…」


「ん?」


「もしさー…俺が浮気したらどうする?」


しばらく、返事がなかった。


「なに固まってんだよ」


ってゆかりの耳元で低く囁く。


「…浮気?」


「うん」


「…想像できない」


マジかっ。


「…信用し過ぎじゃない?俺のこと。あ。それとも、すげー自信あるってこと?俺に惚れ込まれてるっていう」


「そうじゃなくて…健ちゃんが誰かを好きになるとしたら、浮気じゃなくて…本気かな…って」


「……」



なるほど。よくわかってんじゃねーか。俺のこと。