※とりあえず、小説はここまでです。
女の子の活き活きとした楽しそうな顔って、なんでこんなに可愛いんだろう。
もし、ゆかりとスイートルームに泊まれたら…今度はゆかりと一緒に見たい。
ラムちゃんの横顔を見ながら、そう思った。
プロジェクションマッピングが終わって、ラムちゃんが、寒いけどイルミネーションの中を歩いてみたいと言った。
クロークに寄ってコートを受け取り、ふたりで外に出た。
中庭の石の上は、ヒールでは少し歩きにくそうで、俺は振り向いてラムちゃんを待ち、手を差し出した。
ラムちゃんが俺の手を取る。
恋人同士のように手を繋いで、イルミネーションを見ながらラムちゃんの歩調に合わせてゆっくり歩く。
久しぶりの感覚だった。
ゆかりと手を繋いで歩くことはないから。
「…優しい…ですね。健くんは」
「そう?別に何もしてないじゃん」
スイートルームをゲットするためだと割り切って、ラムちゃんを口説き落とすつもりで来たのに…
家でおとなしく俺の帰りを待っているであろう、何も知らないゆかりのことが、気になって仕方なかった。