嘘 9 健ちゃん先生@相談室 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「このアンケートを書いたのが君なのかどうかって話でしょ?信用してるとかしてないとかじゃなくて、明らかに筆跡が君のなんだけど、どうなの?って聞いてんだよ」


橋本さんは、あたしから健ちゃん先生の方へ視線を移す。



「それでも信用がどうのって言うならさ、佐久間は君の言ったこと信用してるよ。

こないだだって、『橋本さんがなりすましの被害に遭ってるみたいなんです』って心配して俺に相談して来たし」


ね?って、健ちゃん先生が腕組みしてあたしをチラッと見る。


え?え?

し、心配?相談?


先生にじっと見られて、


「あ、は、はい…」


って慌てて頷く。


「君のアカウントで条の画像投稿されてたらしいじゃん。普通は君だと思うよね?」


って健ちゃん先生が橋本さんを見る。


「でも、君が誰かにアカウント乗っ取られたって言うからさ、佐久間はそれ信用してー、君が誰かに悪意持たれてんじゃないかって、顧問として心配してたよ」


いや…そんなことは…。


先生は椅子にもたれて、足を組む。



「まあ、アカウント消えちゃったらしいから?今更だけどさ、今度またそういうことあったら言って?警察に調べてもらったら乗っ取った奴とかわかるし」



って髪をかきあげ、



「嫌でしょ?」


って言うと、橋本さんが首を傾げた。



「怖いじゃん。平気なの?誰かに悪意持たれてんだよ?心当たりとかないの?」



「…別に…悪意とか、そんなんじゃ…ないと思う…」



「なんでわかんの?」



橋本さんは黙り込む。



「別に…そんな深刻なことじゃないと思います…」



「なんで?なんでそう思うの?」




「…な…なんとなく…」



しばらく、沈黙が落ちる。



橋本さんの表情を見て、やっぱり、なりすましなんて、嘘だったんだろうなと思った。


『私が投稿しました』って白状させるまで問い詰める気だろうか?


あたしは先生の方を見る。


すると、先生はボールペンで机の端を軽く叩きながら、


「条だってさ…君のこと、信用してたと思うんだよなぁ」


って呟いた。