嘘 6 嘘のツイート@条件部屋 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

レイプ未遂のとき、あたし以上に傷ついたナイーブな条くん。そんな条くんを、あたしは守りたいと強く思った。


そのときの気持ちを、今思い出す。




『上野桜は、当時生指部長だった条先生の職務命令で、生徒を保護するために深夜の公園に行き、レイプされた。

その責任を取れと条先生に交際を迫った。

それが、ふたりが付き合うことになったきっかけ。』



さっき教室で生徒が見せてくれたツイート。


あのとき、あたしを騙した佐々木さんは、家庭の事情であの後すぐに転学していた。


だから、レイプ未遂があったことは、学校関係者では、条くんと宝先生しか知らない。


なのに…いったいどうして…。


怖いと思った。


自分のプライベートが、嘘の形で暴露されて、噂になる。


橋本さんなのだろうか?

いったいどうやって…そんな情報を掴んだの?


引っかかってた『汚い体』の意味がわかった。


ひどい。本当にひどい。


こんなツイート、もし条くんが知ったら…どれだけショックを受けるだろう。



ゆっくり、腕を解いて、条くんから体を離す。


条くんが優しい眼差しで、あたしの顔色をうかがう。


涙はもう乾いていた。



問いただしてみよう。橋本さんに。
直接、ぶつかってみよう。


あたしの一番触れられたくない過去…どこからそれが漏れたのか。

大丈夫。これ以上傷つくことなんて、きっとない。



あたしは、条くんが淹れてくれたコーヒーに手を伸ばす。



「…いただきます。…ん…おいし…」



一口飲んで、条くんに微笑みかける。


すると、湯気の向こうで、条くんがホッとした笑顔を見せて、自分もコーヒーに手を伸ばした。