噂 22 初めての買い物 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「書いてあんじゃねーかよちゃんと」


って陳列棚のナプキンを眺める。

普通の日用のナプキンを取ろうとして、手を止める。


羽根つき。

羽根なし。


…どっち?


迷ったときは…


両方買おう。


俺はキョロキョロしながら、さっと手早くナプキンをふたつ掴んで、温かいお茶と一緒にレジに持って行った。


シュールな組み合わせだ…。


「……円になります」


「え?」


聞き逃した。尻ポケットから財布を取り出し…店員と目が合う。目を逸らして数字を確認する。


店員が茶色い紙袋にナプキンを入れてくれた。



人生初、ナプキン買った。





駅に戻って、橋本にナプキンを渡した。


消え入りそうな声で礼を言うと、ヨロヨロとトイレに向かい、戻ってくるとベンチに並んで座った。



「はい」

ってお茶のペットボトルを渡す。


「あったかい…」


って橋本が湯たんぽがわりにそれを抱き抱える。



「カイロ買ってくりゃよかったな。お前、歩ける?どうする?」


「ちょっと休んだら…行けると思います」


って目を閉じる。


まだ早いので、駅のホームにうちの生徒の姿はなかった。


辛そうな橋本の表情。


「もたれていいよ」


って言うと、橋本が俺にもたれかかった。