条件部屋のソファに並んで座って条にお説教を垂れている。
「はいはい。もうわかったって」
条が首の後ろに手をやって撫でながら、ボソッと呟く。
「しょうがねーじゃん。クリスマスだったんだから」
「あ?なんて今?」
「なんでもありません」
って肩を上げて両膝をさする。
「それにしても、あいつらの行動範囲広いね」
条が苦笑して俺を見る。
「は?」
「一応、気つかったんだけどな」
って揃えた膝をさする。
確かに、条の話を聞けば生徒の行かなさそうな場所ではあった。
「どこにでもいるんだって。ほら!昔、北海道のゲレンデで会ったことあんじゃん。生徒に」
「会った会った」
「おかげで俺らデキてる説流れちゃってさ。冬休みも一緒とかいって」
「今回もそれで行くか?」
「え?」
「お前、大晦日空けとけ。デートしようぜ」
マジかっ⁇
「で?大晦日は条先生と年越しデートすることになったの?」
って晩御飯の時にゆかりに聞かれて、俺はブッて噴き出しそうになった。
あぶねっ!もぐもぐごっくん。
「…んなわけないでしょ。不倫だよ不倫。そんなの」
って味噌汁を啜る。
「じゃあ、条先生、どうするの?」
俺はお椀を持ったまま上目遣いでゆかりを見る。
「へへへ…。ぴったりのお相手を派遣しておきやした」
ってニヤリと笑った。