あ、マズい。思い出したら、反応してしまった。
俺はゴソゴソと居住まいを正し、シャツの裾を引っ張って、さりげなく前を隠した。
そのとき、
「健ちゃん？」
って女の人の声がして、ドキッとする。
一瞬、ゆかりが追いかけて来たのかと思った。
見上げると…
「「あーっ⁉︎」」
ってふたりで声を上げる。
周囲の目を気にして慌てて口を塞ぎ、声をひそめる。
「ウソ！信じられない」
「え？なに？なんで？子供は？」
条の妹の、さっちゃんだった。
新品のベッドを汚すとか…なんてふしだらな…と、思い出しながら、俺は飛行機の座席にもたれてニヤける。