指導教官 12 健ちゃん先生の彼女 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

教育実習も残すところあと数日に迫ったある日の条件部屋。


「あ~~っ!もうちょっとであいつから解放されると思ったら、マジで嬉しい」


って俺は和装を解きながら条に言う。


「いや、でも今日の佐久間の研究授業、なかなか良かったよ」


「だったら、俺を褒めて欲しいよ」


って、Tシャツを頭から被って裾を引っ張る。


「あの教案作んのにどれだけ俺が付きあったと思ってんの?」


「トイレまで付きあったんだもんな」


「歌まで歌ってやったんだから」


「ははは」


「あいつに手かかるからさ、ゆかりとも全然会えてねーし」


「あ。そうなんだ」


「だから今日は早めに出て…」


ドンドンドン!


「健ちゃん先生ーっ‼︎一緒に帰りましょう!」


佐久間だっ!噂をすれば…。


「マジかっ⁇…条、いないって言って」


俺はヒソヒソ声で条にそう言うと、リュックを背負ったまま、ソファの影に身を隠す。


条がドアを開ける。


「あ!条先生!お疲れ様です!…健ちゃん先生はおらっしゃいますか?」



は⁇


「いらっしゃいますかっ?だっ‼︎敬語くらいちゃんと喋れ佐久間!」


って…思わず立ち上がってしまった。



「先生~~っ♡ご飯行きましょう~♡」



「行かない。俺帰るから。じゃあね。お疲れ」


ってドアのところに立っている佐久間の脇をすり抜けて廊下に出る。


「あ!待ってください!研究授業うまくいったらご飯連れてってくれるって言ったじゃないですか!」



「言ってねーよっ!お前が勝手に決めたんだろ!」


「連れてってくださいよ~先生!」


「ついてくんなよっ。仕事終わってまでお前と付き合いたくないの。わかる?ほら、もう5時!本日の営業は終了致しました。ガラガラぴしゃんっ!」


って言うと俺はダッシュで逃げた。


「あ!待ってくださ~い!先生~!健ちゃん先生~!」

って手を振りながら追いかけてくる。


廊下にいた生徒たちが俺と佐久間を見ながら、一斉にスマホをいじりだした。


ああ…ツイッターが…。






俺は頭を抱える。


佐久間はニコニコして、


「あ。先生、あたし、みんなになんて言われてるか知ってます?」


「なに…なんて言われてんの」



「健ちゃん先生の彼女♡」


マジか…。


「勘弁しろよ…ほんと…」


「ご飯行きましょ♡」


って可愛く首を傾げて俺の腕を取ったのを即行外す。


「行かないからっ」


「なんでですか?佐久間のこと嫌いですか?」


「嫌いじゃないよ。嫌いじゃないけど、好きでもない。ってかどうでもいい」


「ひどいっ!…でも、そういうツンデレなところも好きです」


「ちょっと待って。ちょっと待って。ねえ?どういうこと?俺がいつお前にデレた?」


「え?あの、こないだ遅くまで学校残ってあたしに付きあってくれたし、保健室に連れてってくれて、ベッドで脱げよって…」


「わーーっ‼︎都合よく省略すんじゃねーよっ‼︎誤解されるだろっ‼︎」