ふたりの愛 2 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

聡美さんが俺の手首を掴んで捻ろうとする。が、うまくいかない。

反対に、俺に両手の自由を奪われる。


俺は、キスをしながら聡美さんの両手を掴んで、そのままソファに押し倒した。



「…や…ッ!」



好きだ…聡美さん。

俺のために泣いてくれた人。


首を左右に振る聡美さんの唇を追い回して強引に唇を重ねる。



「…聡美さん…好きだ…愛してる…」


聡美さんは?

俺に傾いてないか?


聡美さんが涙を溜めて俺を見つめる。


戸惑いの中に、抑えきれない俺への想いが溢れていた。



再びキスをする。抵抗はさっきより弱まっている。


「…ダメ…ッ…やめて…」


力無い、誘うような拒否の言葉に、中身はなかった。


いや、拒否の言葉の中に、むしろ、俺を受け入れたい想いが見え隠れした。


俺は形ばかりの抵抗に怯むことはなかった。



ただ…聡美さんは、あの人のために、俺を拒まなくてはいけないと思っていた。

自分の本心を押さえつけて。




宝先生という分厚い壁が、俺たちの間に立ちはだかる。

だが、打ち破る手立ては、ある。



「聡美さん…。聡美さんに、罪はない…。罪は、俺が全部背負う」


聡美さんが怪訝な顔で俺を見上げる。




「俺にレイプされたことにすればいい…」



そう言ってまた唇を吸った。


どうせ…罪深い男なんだ。俺は。


あなたに罪はない。
ただ、ひたすら、優しいだけだ。
それが、罪なわけがない。

宝先生…俺を許さなくていい。

でも、聡美さんは…許してやってくれ。



とうとう、聡美さんの愛が溢れ出して、熱く俺の舌に絡みつき、俺を溶かした。


深く甘いキスを交わす。


「警察に行くよ…。だけどその前に…」


聡美さんの熱い首筋に舌を這わせる。


火照った体から、甘く、セクシーな匂いが立ち上る。こんなに体を熱くして、俺を待ってる。



なのに、聡美さんは泣きながら、ブンブンとまた首を振る。


まるでダメだダメだと自分に言い聞かせるように。


葛藤する聡美さんが悩ましくて、楽にしてあげたいけど、聡美さんとひとつになることは、もう避けられない運命のような気さえしていた。