プール 7 大人だから | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

ドキドキした…。

けんちゃん先生がじっとあたしを見つめて…キス、されるかと、思った。


…なわけ、ないよね。


そんな風に期待したり、夢見たり…それが、だんだん辛くなってきたの。先生を好きになればなるほど。

高校生の頃の「好き」とは違う。

あたし、それを自覚しちゃった。

先生は大人だから。大人の男の人だから。誰かと付き合うってことは、大人の付き合いをすることで…。


だけど、あたしには、胸から下の感覚が、ない。

だから、みんながしてるようなことはできない。

あたしは、それで良くても、男の人はそうはいかないだろう。

だから、あたしを好きになってくれる人なんか、いない。

恋は、諦めてる。

諦めてるけど、先生を好きな気持ちは、自分でも、どうしようもない。

こんな体で、先生に愛されるわけがないのに、先生が優しいから…。

「もう…いいよ」

「あ…ごめん」

「先生、謝ってばっかり」

「そうだね。ごめん」

「ほら」


先生の笑顔…好き。ずっと笑ってて欲しい。

やっぱり、諦めなくちゃいけない。

先生のこと、あたしがこんなふうに好きだと知ったら、先生は、あたしの気持ちに答えられないことに、また罪悪感を抱くから。

もう、謝られるのはたくさんだから。

先生の顔を曇らせたくないから。