ふたりでお茶を 7 再会 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

国道沿いの深夜のファミレスは、雨のせいか、そこそこ人が入っていた。

俺は、ビニール傘を傘立てにつっこんで、中に入る。

店内を見回す。

すぐに、オレンジの服に白いエプロンをつけた佐倉を見つける。



「おひとりさまですか?」

背後から、別のウェイトレスに声をかけられる。

「あ…はい」

「空いてるお席へどうぞ」




コーヒーを飲んでいると、佐倉が脇を通り過ぎた。

俺は思わず立ち上がって佐倉の手首を掴む。

佐倉が驚いて、俺を見る。


「せ…先生…!」


「…何時に上がんの?」

佐倉が戸惑いの表情を浮かべる。


「お茶でも、しねー?」





佐倉がレストランのドアを開けて出てくる。空を見て、肩をすくめる。

俺は歩みよって傘を差し出す。


「ありがと。…降ると思わなかった」

佐倉が俺の傘に入る。


両手で肩にかけた鞄の持ち手をぎゅっと握る。

俺が傘を少し、佐倉の方へ傾けると、佐倉がそっと俺に寄り添った。


「条くん…濡れてない?」


「大丈夫。大きい方買ったから」


「…あたしが傘持ってないと思って?」


「先のこと考えない奴だから」


「…嫌味…」


「こんぐらい言わせろ」


俺は、佐倉を盗み見る。


「少し、痩せたな」


「ほんと?やったー!」


「喜ぶなよ」



目が合うと、佐倉の方から先に目をそらした。



「…心配してた」


「ごめんなさい」