今、贅沢品に高い税理を課し、生活必需品に低い税率を課す軽減税率の導入が検討されています。一見聞こえの良いこの制度は、間違いなく日本経済を弱体化させます。これは“政府は可能な限り経済に口を出さないほうが良い”という古典派経済学の考えに反します。具体的に考えても以下のような弊害があります。
(1) 必需品と贅沢品などその人の価値観による
諸外国では外食は贅沢な行為という考えから相対的に高い税率が課されます。日本でも軽減税率が導入されればおそらくそうなるでしょう。
私はよくファストフード店を利用しますが、これは贅沢のためではなく、むしろ自分で料理する手間を考えると信じられないほど安い値段で食事ができるからです。このように一律に“外食=贅沢”とするのは非常に無理のある考えですが、軽減税率はあらゆる課税対象に対し、これと同様の無茶苦茶な線引きを行うことになります。
(2) 低所得者対策にならない
軽減税率はおそらく食品に適用されるでしょうが、こうなると松茸やフカヒレも対象になるでしょう。ガソリンに適用すれば燃費の悪いスーパーカーに乗る人を保護することになります。一般に高所得者ほど狡猾で節税に対する意識が高く、余計な制度を作るとその抜け穴を突いてきます。したがって相対的に低所得者に負担を課すことになるでしょう。同じ低所得者向け減税であれば、所得税額計算における所得控除等の方が経済への影響が少なく本来の目的も達成できます。
(3)企業に余計な事務負担を課する
これは説明するまでもないと思います。
繰り返しますと政府は可能な限り経済に口を出すべきではありません。低所得者の保護は必要かもしれませんが、方法を間違えれば経済全体が疲弊しむしろ低所得者層の数が増加するのではないでしょうか。軽減税率の阻止に賛同される方がいらっしゃることを願っています。