僕は部屋の片隅に呆然と座っていた。
1Kの狭い部屋。かかっている曲はスガシカオの「プログレス」。
流されやすく、人物ドキュメンタリーの成功者のストーリーを見ては、刺激を受けてその人の真似をしてみる。でも続かない。
理由はわかっていた。それはただ他人の真似をしているだけの自分で、自分ではないからだ。
なりたい自分を目指すために上京してきたはずなのに、近道をすぐしようとして、嫌なことから逃げ出す。
絶対に成功するという根拠のない自身で、やりたくないことや、都合の悪いことから逃げ、近道を模索していた。
その結果、周りからは人が離れ、呆れられ、一人になった。
それでも僕を見捨てない親、親友。
僕は立ち上がった。もう一度踏み出すために。
逃げるな。逃げるな。
その言葉を自分に言い聞かす。
近道なんてのはないのだ。やっと気づいた。
逃げちゃだめだ。逃げちゃだめ。
そう、僕のストーリーはここから始まる。