今だったらあり得ない高校教師から受けた理不尽な暴力と不信を描いた

不良のレッテルを貼られた男

に続く「男シリーズ」第二弾。

幼稚園時代の実話と、つい最近の体験から得られる教訓がありますので、参考にしていただければ、と思います。

 

 

園児達が皆帰った教室の入り口に、同じく幼稚園児の健児は一人立っていた。

 

なぜ自分一人帰ることを許されず、誰もいない教室に立たされているのかわからないまま。

 

ただ、担任の先生に「ここに立っていなさい」と言われたので、そうしていた。

 

幼稚園児を放課後教室に一人残して立たせるなんて、今だったら幼児虐待で訴えられるのであり得ない話だが、これが昭和の現状だった。

 

それにしても、かわいい盛りの幼稚園児にそんな仕打ちをするなんて、先生はよっぽど頭に来たんだと思われる。

 

だが、健児は自分が何か悪いことをした、という自覚が一切なかったので、なぜ立たされたのか全くわからなかった。

 

小学生時代、1年から卒業するまで毎年通知表に

 

「落ち着きがない」

 

と書かれていたので、たぶん、先生の指示に従わず好き勝手動き回ってんじゃないかと推測はできる。

 

ちなみに、小学生の頃の健児は「落ち着きがない」という言葉の意味がわからなかった。何のことだろう、と思ってたので、その頃でも自覚は無かったようだ。

 

ただ、悪意も無かったので、誰かに暴力をふるったり、いじめたりってことはしていない。

 

授業中先生の指示に従っていなかったとしても、反抗したわけではなく、たぶん、耳に入っていなかっただけだろう。

 

「立ってなさい」という先生の指示には従っていたのだから。

 

なぜ立たされているのかわからないまま、誰もいない教室のドアの前でずっと一人で立っていると足も辛くなり、悲しくなって涙が頬を流れ落ちる。

 

はやくおうちにかえりたい。どうしてぼくだけかえれないの?

 

健児が声を殺して泣いているところに、担任ではない知り合いの先生が通りかかった。

 

「けんちゃん、どうしたの? 早くおうちに帰りなさい」

 

その優しい先生のおかげで、ようやく健児は解放され、家に帰ることができた。

 

 

それから20年ほど経った頃、ある集まりで、健児を教室に残して立たせた先生にばったり出くわした。

 

もう過去の事だからそれに対して怒っているわけではない。ただ、昔話としてその話題を振ってみた。

 

「幼稚園の時、先生に放課後立たされたことがありましたよね」

 

すると先生は目を丸くして答えた。「何言ってるの。私が助けてあげたんでしょ」

 

「えっ、そうだったんですか」健児は動揺して混乱した。「すみません。記憶が曖昧で・・・・・・た、助けていただきありがとうございました」

 

あろうことか、健児は恩人をずっと自分に対してひどい仕打ちをした先生だと思いこんでいたのだ。

 

真相はどうなのか、検証しようもないが、幼稚園児の記憶より、大人の記憶の方が正しいだろう。

だいたい、健児は幼稚園の時のことは数えるほどしか覚えていない。

 

その数少ないエピソードのいずれにも、先生に怒られた記憶はない。

 

だから、本当は何があったのか全くわからないし、なぜ記憶が入れ替わっていたのかもわからない。

 

ただ、記憶って恐ろしい、と思った。

 

 

それから40年以上過ぎ、スピード違反の罰金の6万を払えずに労役についた時の話になる。

 

独房の奥にある便器と畳を仕切る、座った時に下半身だけ覆い隠せるだけの大きさのついたてには、福島の吾妻山のポスターが貼られていた。

 

健児はなぜかその山が気になったので、出所後家に帰ってすぐにこの山について検索すると、神奈川にも同名の山があることがわかった。

 

それで妻にその情報を伝えて「今度行ってみようよ」と言うと、「前に行ったことあるよ」と言われた。

 

あらためてその場所や内容をチェックすると、確かに以前に行ったことのある山だ、と健児は思った。

 

それからさらに3年が過ぎ、妻が久しぶりに吾妻山に行きたいと言うので、ナビに従って山頂を目指したが、なぜか狭い住宅地の行き止まりの道に誘導され、たどり着けなかった。

 

それでナビに頼るのをやめて、山の周りを走りながら山頂への道を何度も探したが、なぜか前に走ったはずの道路は見当たらず、停めたはずの駐車場も見つからない。

 

仕方なく、最寄りの二宮駅前の駐車場に停めて、そこから歩いて山を登ることにしたが、途中でようやく気づいた。

 

前に来たのはここではなかったことに。

 

以前訪れたのは隣駅の大磯にある高麗山だったのだ。

 

菜の花が有名で山頂から富士山も見えるということと場所も近かったので、お互いに同じところだと思い込んでいたのだが、展望所にカップルがつけた南京錠がたくさんあったことを思い出して、南京錠のキーワードを入れて検索して真相が判明したのだった。

 

 

幼稚園の時の先生と生徒の二人の記憶は正反対になっていて、どちらかが正解というものでしたが、

次のネット情報を見た夫婦二人の記憶はどちらも一致していたにも関わらず、間違っていたということです。

 

これらの話からの教訓は、もちろん

 

「記憶はあてにならない」

 

記憶だけで、安易に決めつけるのはやめましょう。

 

 

ちなみに、映画「メメント」は記憶が10分しか続かない人の話ですが、それと同じようなことが普通の人でも起きることはあります。

 

京野さんに前聞かれましたが、「ロダンの考える人は、拳をどこに当ててますか?」

 

「考える人」の写真を見たことない人はいないと思いますが、間違って記憶している人は多いようです。

 

さらに驚くのは、ロダンの「考える人」の彫刻の前でマネして写真を撮ると、目の前にあるのに間違う人も多いということ。

 

下の写真がその証拠です。

 

拳を額に当ててる人が多いですが、正解は顎です。

 

思い込みで記憶が書き換わることもありますので、記憶だけで判断するのはやめましょう。

 

 

 

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