とても複雑な気持ちになる一冊でした。
ナチスが取っていた手法や政策は、現代にも通じる所があり、それが第一次大戦後のドイツの地位低下や世界大恐慌後の不況から立ち直らせた側面があります。
しかし一方で、独善的な(時には妄想的な)民族主義思考が、究極的な国家犯罪に繋がって行きました。そして最大の問題は、国民が黙殺し、時にはそこから利益を得ていたが故に、大きな異論が出なかったことです。ヒトラーの政権掌握後は政党もナチだけとなり、報道の自由が制限されたことも大きかったと思います。
ドイツは18世紀の段階で既に文明国であり、明治維新後の行政・法律・医学・文学と多岐に渡り日本に影響を与えていました。そんな国でもこのような歴史を歩んでしまいました。
社会を構成する人を幸福にする社会とは、その社会が技術を持っているだけではだめで、人の命や自由に対して尊厳を持っていることだと感じた一冊でした。
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