ひゃっほ~う!!
高校生活が忙しすぎるぜコノヤロー!!!!!
おかげで更新できねーじゃねーかァァァァ!!!!!!!!
ふぅ・・・・・・。
とりま、更新頑張ります。
遂に幕を開けた【第二大戦】!!
圧倒的な力を見せつけるディーガは、更なる真実を口にする。
その真実に、何故か笑みが零れるバレット。
その笑みの真意とは!?
ディーガとの力の差に落胆することなく力を振るうバレットだが、その差はまさに圧倒的!!
そんな中、更なる力を切望するバレットが見たものとは・・・・!?
幻想物語
第6章 第9話
メザメル、チカラ。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
「はあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
互角に見えたその激突は、一瞬の交わりを見せた後、ディーガの勝利を以って収束した。
牙拳撃を交えた直後、バレットの体は後方へと飛ばされた。
しかしそれでも体勢を崩すことはなく、凄まじい勢いで後退させられただけであった。
「剛擊爆龍牙(ドラグナー・グレイディオ)・・・・だと・・・・?聞いたことねぇ魔法だな。」
肩を激しく上下させ、ニッと苦笑を洩らした。
「当たり前だァ。お前らが使ってる魔法が全てだと思うなよ。」
意味深なセリフを吐いたディーガは、ゲラゲラと下品な笑いを虚空へと響かせる。
「・・・・・・・・・・どーゆー意味だ?」
僅かな沈黙を要した後、バレットはその質問をディーガへと投げかける。
「6万。それが、お前らが使っている魔法の数だ。」
至極当然のことを言うディーガに対し、バレットは訝しげな視線を飛ばし、首を傾げる。
「当たり前だろ。それがどーした?」
「俺達がお前ら人間を生みだしたとき、生と知恵と力と死以外に、俺たちはお前たちに魔法を授けた。その数、およそ6万。だが、俺達がお前らに授けた魔法は、ほんの一部にすぎないンだよ。まぁ、魔法を授けたのは俺達神官だけじゃねぇ。アポロン様や大賢者、それ以外にも多数の奴らが人間に魔法を授けた。授けた者の数は15人。授けた魔法の数は、一人あたり4千。ちなみに、俺らがお前らに授けた魔法は、僅かに十分の一だ!!!!」
その後は、ディーガが語る必要すらなく、ただただ、絶望だけがバレット達の心を殴りつけた。
単純な―小学生ですらできる―計算だ。
15人が一人あたり4千の魔法を人間に授ける。
つまり、全体で6万の魔法を授けた計算になる。
そして、ディーガが発した、『俺らがお前らに授けた魔法は、僅かに十分の一』という言葉。
人間達に授けた魔法=60000。
その十倍だ。
人間達に授けた魔法=60000=アポロン達が扱う魔法×0.1。
この式を間違うことなく解くことができれば、誰であろうと恐ろしい結論にいきつくことだろう。
そう、アポロン達が扱うことができる魔法の数は、60万。
それを全て使うことができなくとも、一人あたり4万の魔法を使う事ができる。
人間にしてもそうだ。
6万の魔法をフルに使える人間などいるわけがない。
どう足掻いても、1万がやっとだ。
「やっと分かったのか人間!!お前らが扱う事ができる魔法の上に、更に上の魔法が存在するんだよ!!お前らに勝ち目なんざ―――」
高らかに自らの力を鼓舞するディーガのセリフを遮る形で、バレットはその体に炎を宿した。
デーリティ・セカンド
「鬼憑型・弐!!!!」
バレットの雄叫びとともに夥しい量の炎がチカラとなってバレットの体を覆う。
次に現れたバレットは、体の一部を龍鱗へと変化させた、異形の姿をしていた。
同時に、その右腕にグッと力を込め、高らかに魔法名を唱える。
ドラグナー・グレイディオ
「剛擊爆龍牙!!」
ディーガが先程―本当に先程、実に1,2分前に―用いた、牙拳撃。
その拳に宿る蒼い炎は、紛れもなく剛擊爆龍牙(ドラグナー・グレイディオ)だ。
その魔法は、何よりもディーガに衝撃を与えた。
「なん・・・・だと・・・!!!!なんでテメェが、その魔法を使える!!?お前は、その魔法を知らないはずだ!!!」
「大当たり。俺はこの魔法がどんな魔法かなんて知らねぇよ。ただ、お前の魔法を見て、“真似した”だけだ。」
「コピー・・・・・だと・・・・?ウィッズみてぇな、薄汚くて狡い真似するじゃねぇか!!!」
バレットを嘲笑するディーガの笑いが火山の焼けた虚空へと響き渡る。
が、それによってバレットが動じることはない。
それどころか、自信を持ってこう切り出した。
「俺さ、バカなんだよ。昔っから魔力(ディーガ)とかの調節が下手糞でさ、よく先公とかに怒られたんだよ。けどさ、直す気なんかさらさらねぇから、常にエンジン全開のフルスロットルなんだよなぁ。そのせいで燃費悪くってよォ。得したことなんざほっとんどねぇんだ。けどよ、バカだからかな。死に物狂いで努力したんだぜ。だからよ、俺の場合は、“模倣”とかそんな高尚なもんじゃねぇ。俺の場合は、“勘”だよ。パッと見とか喰らった感じとかで使ってるだけだ。だからよ、出力も、回転も、濃度も、全部デタラメだ。全部、フルスロットルだぜ。」
口元にフッと笑みが零れたことに、誰よりも驚いたのは、バレット本人であった。
この命を賭けた激戦で、笑みが零れることなどあり得ない、誰しもがそう思うであろう状況下で、バレットは不敵に笑った。
「ま、細けぇことはどーでもいい。俺はテメェをぶちのめす。それだけだ。」
「ぶちのめす?この俺をか?上等だ。」
大きく深呼吸した後、バレットは後方にいるライナ達に振りかえらないまま怒声を上げた。
「つーわけだ!!ライナァ!!後方支援だか何だか知らねーが、余計な手出ししてみろ。その瞬間、テメーの頭かち割るぞ!!!!!」
指の骨をパキパキと鳴らし、ディーガという一個人に対して全神経を注ぐ。
「テメェの“それ”がただのイタチゴッコだってことを分からせてやるよ!!!」
バレットを軽くあしらい、ディーガは地面を勢いよく蹴った。
ドラグナー・バストゥリア
「嶽牙爆龍爪!!」
その手に宿る紫色の炎は、バレット達人間が授かった魔法ではないことを本能的に察知させる色だった。
しかし、“その程度”で臆するバレットではない。
一瞬の躊躇いはあったものの、直ぐにその足場を蹴り、こちら目がけて全速力で駆けてくるディーガに応戦するためにその手に力を込める。
同時に、凄まじい量の炎がバレットの腕を、拳を包み込む。
蒼炎と紫炎。
二つの業火が一点で相見えるとき、凄まじい爆風と爆音が辺りを駆け抜ける。
辺りに舞った粉塵を飛び出す形で、バレットは後方へと吹っ飛ばされた。
先程、蒼炎が宿っていた腕からはブスブスと黒煙が上がり、衝撃の巨大さを物語る。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・。」
バレットは肩を激しく上下させ、負傷した腕をもう一方の腕でさする。
対するディーガは余裕そうな表情で指をパキパキと鳴らす。
「ほう?やるな、お前。俺の嶽牙爆龍爪(ドラグナー・バストゥリア)を喰らってその程度で済むとはな。だが、次で終わりだァ!!!」
言い放った直後、ディーガの体から柱のように凄まじい量の魔力(ディーガ)が溢れだす。
ドラグナー・ティオーレ
「戰牙龍竜爪!!」
先程の紫炎とは打って変わり、今度は黒色の炎だ。
黒炎柱が立ち上り、激しいうねりを見せると、その全てがディーガの腕一本に集まる。
ドラグナー・バストゥリア
「嶽牙爆龍爪!!!」
紫炎がバレットの腕を包み込み、ゴウゴウと燃え盛る。
しかし、これではいつまで経っても勝ち目などない。
常に上をゆくディーガに対し、その相手の攻撃を喰らわなければ再現できないバレット。
ディーガが言った、『イタチゴッコ』とは、まさにこのことだ。
しかし、バレットは先刻承知の上で戦っている。
そして今、三度目となる激突が、起こった。
先ほどよりも凄まじい量の粉塵と轟音を辺り一帯に撒き散らし、同時に、バレットの体が凄まじい勢いで後方へと吹き飛ばされた。
受け身をとる間もなく、バレットは背中を岩盤へと叩きつけられ、口から一筋の鮮血が吹き出した。
先ほどまで紫炎を纏っていた腕は黒コゲとなり、動かすことさえままならない。
龍鱗はボロボロになり、焼けただれた表皮が露わになっている。
いつショック症状を起こすか分からない状況下で、バレットは立ち上がった。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・。ふざけんじゃ・・・・・ねぇぞ・・・・・!!俺が・・・・・こんな簡単に・・・・・負けるかよ・・・・・・・!!!」
そんなバレットを見かねたライナが、バレットに向かって怒声を上げる。
「バレット!!もういい!!下がれ!!後は俺たちに任せろ!!!!」
悲痛ともとれるライナの叫びを、バレットは苦笑で返した。
「いや・・・・だね・・・・・。これは、俺の戦いだ・・・・!!オメェが・・・・手出しすんな・・・・・!それに・・・俺は・・・まだやれる・・・・!!」
そのセリフが、何の確信もないただのハッタリだという事は、バレット自身が痛いほど痛感している。
足も、腕も、既にボロボロだ。
それでも尚、ライナ達に戦いを託すことは決してしない。
一体何故、バレットをそうさせるのか。
それは、バレット本人でさえ知り得ない。
ただ一つだけ分かっていることがある。
―――力が、欲しい!!!
その感情だけが、バレットの心を折れる寸前で支えている。
――ふざけんな。俺は戦いたい!!強く、なりたい!!この体がどうなろうが、知ったことか!
心の内で叫ぶバレットが、ただ一つ、望むこと。
―――勝ちたい!!!!!!!!!!!!!!!!!俺は、勝ちたいんだ!!!!!
その心の叫びが、声となって溢れだす。
「俺は、俺は・・・・・・ディーガに・・・・・勝ちたい!!!!!!」
恥も、外聞も関係ない。
ただただ、心の底から切望する。
命を懸けて祈っている。
全てを捨ててでも、渇望している。
勝ちたい。
その想いに、一点の揺らぎも乱れもない。
「諦めろ!!!テメェに、勝ち目なんざねぇ!!!!」
バレットの祈りを無視し、地面を蹴って天高く跳躍した。
右手を引き、力を込める。
ティラノ・イングラム
「恐牙竜轟破!!!!!」
バキバキと異様な音を立て、ディーガの右腕が変化していく。
光属性と炎属性の混合魔法である、部分変化魔法。
その中でも、頂点に属する、恐牙竜轟破(ティラノ・イングラム)。
太古の昔、地球に君臨し、王者としてその大地を駆けた、T・レックス。
その頭部を模した、巨大なる一撃。
重力による落下速度も加わり、最大の威力となった恐牙竜轟破(ティラノ・イングラム)を、バレット目がけて振り下ろす。
ディーガの振るう、圧倒的な力に、燻る気持ちを御すことなどできはしない。
何度も、何度も、言葉になる。
「勝ちたい!!!勝ちたい!!!!勝ちたい!!!!!!!」
ドクン。
心臓の鼓動が、大きくなる。
ドクン、ドクン。
ドクン!
ドクン!!!
刹那、バレットの意識は戦闘から離れ、気がついたときには見たこともない場所にいた。
必死で自身の目を凝らし、自分が立っている場所を確認する。
が、何も見えない。
いや、正確には、『何もない』。
辺り一面真っ白で、他には何もない。
何度もキョロキョロと辺りを見渡すが、それでも何も見えない。
さすがに不気味になってきたバレットの耳に、聞き慣れた声が鳴り響く。
「よう、バレット。」
突如背後から聞こえてきた声に、焦る気持ちを抑えて振り向いた。
巨大な、真紅の、龍。
そこにいたのは、紛れもなく、第3魔神グラン。
絶大なる存在感を露わにしたグランは、バレットの表情を確認するや否や微笑を洩らした。
「ハッ。その眼、『力が欲しい』って眼ェしてるぞ。」
虚を突かれたバレットは、間髪置かずに反論する。
「何で、分かった・・・・・?」
何故か、『ここはどこか』という質問は湧き上がってはこなかった。
何故か、知っているような気がしたからだ。
「当たり前だ。テメェと何年一緒にいると思ってやがる。」
「そう・・・・だな・・・・。」
その声に、懐かしみが混じる。
「ディーガの奴、強ェだろ?」
その問いに、何も言わずに黙って頷く。
「力、欲しいんだろ?」
また頷く。
「勝ちたいんだろ?」
頷く。
「その覚悟、本物だろうな?」
「当たり前だ。」
いつしか、その眼には覇気が宿っていた。
偽物ではない、本物の闘志が。
「なら、お前に2つ、力をやる。有効に使え。」
「・・・・・ありがとな・・・・・・。」
バレットの素直な礼を聞くと、フッと笑い、そして消えていった。
次の瞬間、バレットの意識は半強制的に現実世界へと引き戻された。
時間にして、ほんの一瞬だったようだ。
ディーガは右腕に宿した恐牙竜轟破(ティラノ・イングラム)を振りかざす。
これをまともに喰らえば、命はない。
「これで、終わりだァ!!!!!!」
ドゴガアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!
尋常ならざる大音響が、グライドゥエ火山を揺らす。
同時に、大地が凄まじい音を立てて分割されていく。
自らの打撃に手ごたえを感じたディーガであったが、その手に妙な違和感を覚える。
粉塵が晴れた次の瞬間、ディーガは我が目を疑った。
そこにいたのは、ディーガの右腕を両腕で防ぐ、バレットの姿。
当然、驚きは隠せない。
「なん・・・・・だと・・・・・・!?」
驚きを表情に出すディーガに対し、バレットは笑みを零す。
「いくぜ、ディーガ。こっからが、本番だ。」
落ち着いた口調でディーガを一睨みした直後、バレットの体は紅蓮の炎に包まれた。
ゆっくり息を吸い、口を開く。
デーリティ・サード
「鬼憑型・参」
第6章 第9話 完
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
バレット君カッコ良過ぎだろ!!!!!
さぁ、これからが本番です!!!
ライナでさえ未だ覚醒させていない力を覚醒させたバレットの力とは!?
そして、グランから授かったもう一つの『力』とは!?
とりま、最後に格言だけ言って、もう寝ます・・・・・wwww
「人生で、立ち止まることなど許されない。ましてや、後ろを振り返る暇など、ありはしない。過ぎたことにいつまでも拘るな。走れ、走れ、走れ。その先にある、未来へと。」