【幻想物語 第5章 第3話】 | 毎日きびきび

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遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

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これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

連続更新!


さぁ、連続更新2日目です


何日連続で更新できるのでしょうか?



んじゃま、スタートにひひにひひ



幻想物語


第5章 第3


The man purifies all defilement



「アンタが部隊長だなんて、俺らは認めねぇ!」

「そうだ!」

「流星がやった方が良いに決まってんだろ!!」

「アンタは引っ込め!」


自分よりもはるかに年下の者が部隊長に就任する、ということに憤りを覚えた隊員たちはそれぞれ罵声を言い放った。


「ちょっ、皆!落ち着いてよ!」

流星が仲裁に入るが、暴動は収まらない。


「さっさと引っ込め!!」

「帰れ!!」

「辞めちまえ!!」


人生経験豊富で常識を弁えているはずの大の大人が、まだ18歳のライナに対し、罵声を浴びせる。


数々の罵声を浴びる中、ライナはその口を開き、大声を上げた。


「世界政府軍事機関規則第1章1項その1!!『部隊長の座は力を以って奪い取るべし!!現行の部隊長を一騎打ちで倒した者に次の部隊長の座を与える』!!俺を部隊長の座から引きずり下ろしたいなら、俺を倒してみなよ!!」


自信ありげに言い放ったライナに、隊員の1人が激昂して怒鳴った。


「テメェ、今のセリフ、どういう意味だゴラァ!!!!!『俺を倒してみろ』?俺らよりも強いみたいなこと言ってんじゃねぇぞ馬鹿が!!!!!!」


見れば、他の隊員たちもわなわなと拳を震わせ、怒りのあまり魔力(ディーガ)が漏れ出している。


「だったら、試しにやってみる?」

挑戦的な目で隊員たちを睨むと、余裕そうにそう言った。



そのライナのセリフは、隊員たちの怒りを沸騰させた。


「上等だゴラァ!!!!!!」

前方、後方、上空、左右、全ての方向から隊員たちが波になって押し寄せた。

各々、腕や足に魔力(ディーガ)を纏わせ、魔法が発動寸前になっている。



「避けれるもんなら、避けてみやがれッ!!!」

怒鳴り声を上げた隊員たちは、各々魔法を発動させた。


  ディバイディア・エウラス

「光劉破剣!!」


  ゴースティア・ブラッディ

「幽撃霊弾!!」


  ガルグライ・ヴェルガ

「黒炎卍華!!」


  モスキータス・ウルガジラ

「害蟲群狼撃!!」


   グルーダス・ハンド

「土弩弾破!!」



黄、黒、紫、茶、赤、白、様々な色の、様々な形状の魔法が隊員たちの腕や足から放たれる。



直撃すれば命すら危ういという状況下で、ライナは不敵に笑ってみせた。


逃げ場はない。

避けることはできない。


全方位攻撃という網から、逃れることは、奇跡でも起きなければ不可能だ。


そんな状況下で、笑った。

苦笑いではなく、本当の笑み。



「甘い甘い♪」


そう言い放った直後、ライナの足元に魔法陣が広がった。


「言っただろ?俺は『聖なる魔法術師(ウィザード・オブ・エターナル)』だって。俺がそう呼ばれる所以を見せてやるよ」



    フォース・オブ・サンクチュアリ

「粛清ノ浄化領域!」



魔法名を唱えると、魔法陣は更にその大きさを大きくしていく。



「はい、お終い!」

微笑を浮かべて、指をパチンと鳴らした。



その直後、信じがたい現象が、流星の目の前で起こった。


黒や赤、青に彩られた魔力(ディーガ)が、一瞬にして純白に変わった。


そして、次の瞬間、まるで陶器を砕いたかのように、発動した魔法が全て粉々に砕け散った。


「えっ!?」

目の前で起こった現象に、流星は驚きの言葉を隠せない。


「な、何をしたッ!!?」

隊員の1人が怒声を上げる。


「アナタ達の魔力(ディーガ)の周波数を、俺が使っている魔力(ディーガ)の周波数に上書きしました。周波数さえ揃えてしまえば、アナタ達の魔法は、俺の魔法に等しい。全ての色が白に変わったのは、周波数が変わったことを目視できるように工夫したからです。俺の魔法に等しいのならば、破壊も簡単。外部から意図的に力を加え、破壊させてもらいました。それが、粛清ノ浄化領域(フォース・オブ・サンクチュアリ)の持つ力ですよ。」


1年前、ある人物によって創られ、ランク9の魔法として指定された、粛清ノ浄化領域(フォース・オブ・サンクチュアリ)。

ライナの説明を要約するのであれば、全ての魔法を無に還す、ということだ。

と言っても、本当の意味で全ての魔法を無に還すことはできない。

一部の魔法は、周波数を上書きする前に相手の下に辿り着いてしまう。

そういった魔法には、粛清ノ浄化領域(フォース・オブ・サンクチュアリ)は効果がない。



「そんな魔法・・・・初めて見た・・・・・。」

驚いた表情のまま、流星は呟いた。



「当たり前だ。“俺が創った”魔法だからな。」


ライナはニシシと歯を見せて笑う。


「凄い・・・・・。」

短い言葉だが、ライナの実力を表現するのにこれほどピッタリ合う言葉はない。



「な、舐めるなッ!!」

呆気に取られていた隊員の1人が、小さなナイフを渾身の力で放った。

見れば、黒い液体のようなものが付着している。



「なっ――」

あまりに突然の出来事に、避ける予備動作すら出来ずに、ナイフはライナの左肩に深々と突き刺さった。


刺さった箇所からは、一筋の血が流れ落ちる。

「こ、これは・・・・毒・・・・・魔法・・・・・?」

苦痛の表情を浮かべながら、ナイフが刺さった場所を凝視する。


「そうだッ!闇と大地の混合魔法。その更に派生系!毒皇牙(ポイズン・キメラ)!!神経系の猛毒で、20秒で相手の意識を混濁させる!!!俺の勝ちだァ!」


その隊員は、高らかに自分の勝利を宣言した。


そして、20秒をゆっくりとカウントし始めた。


「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・・・・・・・・・17、18、19!20!!!」


ケラケラと笑いながら自分の勝利を確信した。


が、その直後、その確信は大きく覆された。

ライナは、苦しむ表情すら浮かべず、平然と立っていた。


「凄いな。毒系統魔法はそう簡単に扱える魔法じゃない。確か・・・・一番低いレベルでもランク6だったはずだよ。それをこんなに簡単に・・・・・・。凄いな。」

左肩に刺さったナイフを抜き、右手で治癒魔法をかけ始めた。



「なっ、何でだッ!!!?ナイフは、ちゃんと刺さったはずだ!!毒も、規定量を盛った!なのに、何故立っていられる!!!」


目の前で起こったことが信じられない、といった表情で怒声を強めた。


「俺は『白霊聖騎士』。穢れを浄化する、『聖騎士』だ。毒くらいなら、簡単に解毒できるよ。」

ライナはそう言うと、余裕そうにニコリと笑った。

全ての攻撃が完璧なまでに打ち消され、隊員たちはただ沈黙するしかなかった。


そして、その沈黙を、流星が破った。


「ライナさん!凄いです!感動しました!!」
「えっ、いや、まぁ・・・・・、ありがと。」

慣れない褒め言葉に戸惑いながら、礼を言う。


「ってか、流星って俺と1コ違いだろ?何で敬語なんだ?」

「えっ、だって・・・・・。ライナさんは僕の目標だから、かな?僕も、ライナさんみたいに強くなりたいです!」

「それなら、依頼を大量にこなせ。そうすりゃ、力もつくさ。」

まるで教師のように上から目線で言い、流星の頭をクシャクシャと掻いた。



「あっ、じゃあお願いがあります!」

「おっ、何だ?」

「一緒に任務に行って欲しいんです!」

部下からの初めてのお願いに、まんざらでもない表情になったライナは、

「おう!何でも行くぜ!」

と気前良く胸をドンと叩いた。


「じゃあ、モリルガオスの討伐でもいいですよね!?」

「え・・・・・、モリルガオス?」

「はい!」

汚れのない屈託な笑みでそう言った。


「あぁー・・・・・・・分かった。準備しとくわ。」

語尾が小さくなるのを自分でも理解していたが、そんなことを気にしている場合ではなかった。



モリルガオス。

通称、『密林の化身』。

素早い動きと型に収まらない戦闘スタイルで討伐屋を翻弄する魔獣。

最高時速150㎞、全長3m。

全身が緑や黄緑といった保護色で、森の背景に溶け込むことができ、鋭く発達した前足(と言ってもその鋭利さのため、鎌に近い)を使って相手を仕留める、神速の魔獣。


俗称、『殺し屋鎌鼬』。





第5章   第3話    完




ライナ凄いなオイwwww

んでもって、次の話が見えてきました!


モリルガオス!

殺し屋鎌鼬?

怖いあだ名だな・・・・・ww



ま、続きはまた明日(?)!!



んじゃま、あでゅー(* ̄Oノ ̄*)




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