前略 X様

大連の製造業14%成長を維持-国家統計局が見通し
12月27日17時6分配信 サーチナ
国家統計局大連調査チームはこのほど、大連市の製造業の2008年暦年の工業生産が前年同期比14%以上の伸びを維持するとの見通しを発表した。新華社が伝えた。
同調査チームによると、08年は世界的な景気悪化のあおりを受けて、中小企業の生産の伸びにやや鈍化がみられたものの、全体で14%以上の成長を確保できるという。(編集担当:服部薫)

11月に入ってから、地元政府が各企業に対してヒアリングを続けてきたのだが、その成果がこれかね。
まるで大躍進政策だな。
今後各地方政府が先を競ってこの手のご注進を北京に上奏するのだろう。
昨日は、中国の経済は日本より早く復活するかも、みたいな事を書いたが、こりゃ下手すると大躍進や文革並みの大混乱が待ってるかも知れんな。

話は変わるが、今、中国人は日本製の、日本で買ったアイテムを欲しがっている。
ニュースには携帯電話の話が出ているが、僕も先日、中国人に喜ばれるアイテムを見つけた。
ピップエレキバンの磁気ネックレスは肩こりに効くそうだが、これが中国の中年の間で流行っている。
中国でも買えるのだが、どれが本物か偽物か判らないので、出張して来る日本人に日本で買ってきてもらうのだそうな。

昔からこういうのはあった。
15年前は、万年筆だとか、ウォークマンだとか、そういうものが多かったのだが、今は携帯電話や健康器具か。
相変わらず、中国人が中国で売られているものを一番信用していない。
思えば王朝時代から中国では古典が偽書だらけなので、隋唐代に遣唐使によって招来された経典を日本から逆輸入して中国人は有難がっていた。

日本には偽書を後代に伝えようとする風習が無い、という事は昔から中国人の読書人もよく知っていた。
それは辛亥革命の伏線にもなったものだ。
という事は、中国人の偽物作りは、高度成長期の一時的な現象ではなく、文化的な遺伝である。
つまり中国人自身をも悩ますこの問題は、子々孫々まで絶えることが無いのだろう。

食品も偽物だらけ。
工業製品も偽物だらけ。
情報も偽物だらけ。
おかげで中国の周辺民族、特に日本が、中国で生まれた本当に良いものを正直に受け継ぎ、発展させ、それによって金儲けができるという構造になっている。

まったく、有難くて涙が出るよ。
中国が隣にあるから、日本の価値がいや増すのだな。
日本だけ有ってもオリジナルなものが出にくく、中国だけ有っても完成度が高いものが生まれない。
こういう見事な補完関係が有るのだから、日本人は中国と着かず離れず交流するべきなのだろうな。

早々