前略 X様

ジオシティーで1999年からWeb日記を書いている。http://www.geocities.jp/kekero_hk/
その頃香港に住んでいて、インターネットで「日記猿人(現在は日記才人)」を見つけて、夜、時間がある時に今は亡き菜摘ひかるさんのWeb日記をよく読んでいた。
それで菜摘さんの掲示板にいろいろ書き込んでいる内に、或る愚か者と喧嘩になってしまい、「店のママ」に迷惑をかけてはイカンとばかりに「表に出ろ!」というつもりでジオに自分の掲示板を持った。
最近忘れそうになるが、インターネットでこういう事を始めたきっかけは自分の掲示板を持ちたかったからだった。

もともとニフティ・サーブでパソコン通信を長年やっていたし、コンピュータ関連の仕事をしていたので、ホームページを持って掲示板を運営する事自体は難しいと思わなかった。
だから思い立ってすぐに始めることができた。
その後、日記を書く気になって、「Kekeroの香港日記」というのを書き始めた。
香港で考えたり感じたりしたことを書き、幸いにも自分が思っているよりも多くの読者を得て、ネット上の付き合いが広がった。

だがWeb日記を書くことに力を入れ過ぎたという事もあって、その時一緒に住んでいた妻とは、香港在住のまま離婚してしまった。
一昨年、10年ぶりに帰国して、日記の題名を「帰国後日記」と改めた。
ハンドルも「毛家路」に改めた。
そうして、いま一緒に暮らしている彼女と出会い、同居を始めて半年になる。

ここでブログ日記を始めようと思ったのは、僕のWeb日記の読者でもある彼女の勧めによるものだ。
賞金を狙って書くようで気が進まないが、「せっかく面白いものを書いているんだから、勿体ないじゃん」と言われた。
僕は他人に話を聞いて貰いたくて書いているだけだから、自分の書いているものが大受けしようがしまいが関係ない。
自分に共感してくれる人が、一人でも居てくれればいいと思っている。

実は最近あまり「帰国後日記」を更新していなかったのは、彼女という最高の理解者を得られたのが一つの理由だった。
当然、彼女は僕の日記の最高の読者の一人だが、その最高の読者がブログに日記を書けと言う。
それで僕も最近、あまり新しいことを始めていないので、少し気合いを入れて再出発してみよう、と思った。
「帰国後日記」は書きたいものを書きたいように書き続ける場として残すが、この「毛家路日記」は読んでいる人が面白いと思えるものを書こう。

それで先ず、できるだけ多くの人に面白いと思ってもらえるために、二つの原則を設定して気合いを入れ直すことにする。
第一に、自分を相対化すること。
思いが強い書き物は、自分と同じ感性や考えを持っている人にしか受けないだろう。
だからノリツッコミの間合いを大切にしなければならない。

第二に、短くまとめること。
よく言われるが、思いが込められ過ぎるとくどく、長くなる。
そうなると、面白そうだと思って読み始める人もつまらなくなってしまう。
これは彼女の説だが、雑誌の人気コラムが1ページに収まっているのは、とにかくページの端まで読み切れば終わりだと判っているから読み切ってくれるそうである。

書いている内にいろいろな考えが湧き上がって来て、ついつい長く書いてしまう僕だが、ここでは4行のまとまりを8つまでに抑えることにする。
この二つの原則を守って一年続けた時、何位くらいにランキングしているか。
今までこんな思いで書いた事が無いし、実はこれを書いている今、酔っぱらっているのでわけがわからないが、挫けず取り敢えず一年やってみよう。
仕事も有るし飲み会もあるし出張も有るので必ず毎日更新とはいかないが、まあ、ぼちぼちやりますか。

早々